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クラウドストレージの情報漏洩などのセキュリティリスクと対策を解説

公開日:
2024/04/05
最終更新日:
2024/04/05
目次

クラウドストレージの情報漏洩などのセキュリティリスクと対策を解説

クラウドストレージは、利便性と柔軟性の高さから多くの企業で利用されていますが、情報漏洩などのセキュリティリスクも存在します。情報漏洩が起きれば、企業の信用失墜や経済的損失を引き起こす可能性があるため、徹底した対策を講じる必要があります。

本記事では、クラウドストレージの基礎知識から、情報漏洩のリスクや対策について、過去に起きた事例を交えながら詳しく解説していきます。さらには、クラウドストレージを選ぶ際のポイントやおすすめのクラウドストレージサービスについても紹介します。

最後までご覧いただき、クラウドストレージを安全に利用するための参考にしてください。

クラウドストレージの基礎知識

クラウドストレージは、インターネットを介して、データの保存・アクセス・共有ができる保存領域であり、クラウドサービスの一種です。利便性と柔軟性の高さから、多くの企業や個人ユーザーに利用されています。以下では、クラウドストレージの基本的な知識について解説していきます。

クラウドストレージとは

クラウドストレージとは、インターネット上のサーバーに、データを保存・共有することのできるサービスです。従来の物理的なストレージメディアと比較して、データのアクセシビリティ、コラボレーションの容易さ、コスト効率の向上などのメリットがあります。

クラウドの種類

クラウドサービスは、利用形態によって以下の3種類に分類されます。

  • SaaS(Software as a Service)    
  • PaaS(Platform as a Service)
  • IaaS(Infrastructure as a Service)

それぞれの特徴について、以下で詳しく説明していきます。

SaaS

「SaaS」は、「Software as a Service」の略称で、インターネットを通じてソフトウェアを利用できるサービスモデルです。SaaSでは、ユーザーはソフトウェアのインストールを必要とせず、ウェブブラウザを通じて直接アクセスして利用できます。

GmailやMicrosoft 365などのサービスが、このモデルの代表例です。

SaaSのメリットは、ユーザーがインストールやメンテナンスの手間を省くことができ、どこからでもアクセスできる点です。

PaaS

「PaaS」は、「Platform as a Service」の略称で、プラットフォームを提供するサービスモデルです。PaaSは、アプリケーションが動作するために必要なデータベースや実行環境、その他のインフラを包括的に提供します。これにより、開発者はアプリケーションの設計と開発に集中することができ、インフラストラクチャの管理にかかる時間とコストを削減できます。

Microsoft AzureやGoogle App Engineが、PaaSの代表例です。PaaSのメリットは、開発プロセスの迅速化と効率化を向上できる点です。

IaaS

「IaaS」は、「Infrastructure as a Service」の略称で、仮想サーバーやストレージ、セキュリティ関連のコンピューティングリソースを、クラウドを通じて提供するサービスです。

Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platformが、IaaSの代表例です。IaaSの特徴はその柔軟性とカスタマイズ性にあり、ユーザーは自身のニーズに合わせてリソースを選択し、利用することができるという利点があります。

クラウドストレージには情報漏洩のリスクあり

クラウドストレージの普及によって、企業や個人は大量のデータをより簡単に、効率よく管理できるようになりました。 しかし、この便利さの裏側には、情報漏洩という深刻なリスクが潜んでいます。以下では、クラウドストレージにおける情報漏洩のリスクを深く掘り下げ、その原因と被害について具体的に解説していきます。

情報漏洩が起こる原因

情報漏洩が起こる原因は多岐にわたりますが、主な原因としては以下のようなものがあります。

  • ユーザーによる設定・操作ミス
  • 弱いパスワードの使用
  • ログイン情報が保存された端末の紛失
  • 外部からのサイバー攻撃

ユーザーによる設定・操作ミス:

クラウドサービスにおける、ファイルの共有設定などは、多くの場合、利用者の責任において行われます。アクセス権限を限定するべき機密ファイルなどを、誰でも閲覧できるような設定にしてしまった場合や、意図しない相手にアクセス権を付与してしまうといったミスによって、情報が漏洩してしまうケースがあります。

弱いパスワードの使用:

単純で推測されやすい単語を使用したり、文字列が短いパスワードは、総当たり攻撃により容易に解読されるリスクがあります。

ログイン情報が保存された端末の紛失:

近年、多くのデバイスやWebブラウザは、各種Webサービスへのログイン情報を記憶する機能を備えています。この機能は、利用者がパスワードを覚える手間を省けるため、非常に便利です。しかし、ログイン情報を記憶したデバイスを紛失した場合、そのデバイスを見つけた人は、クラウドストレージをはじめとする各種サービスに容易にアクセスができてしまいます。

外部からのサイバー攻撃:

クラウドストレージがインターネットを介して利用するという性質上、外部からのサイバー攻撃を受けるというリスクもあります。マルウェアやフィッシングといった手法によって、利用者のログイン情報を盗み、クラウドストレージへ不正アクセスすることによって情報が漏洩してしまう可能性があるのです。

情報漏洩による被害

情報漏洩が起こると、その影響は広範囲に及びます。 企業にとっては、顧客やビジネスパートナーからの信頼を大きく失うだけでなく、訴訟や損害賠償といった法的な責任を問われる可能性もあります。 また、漏洩した情報が個人情報である場合、当事者のプライバシー侵害や身元詐称などの犯罪に利用される恐れもあり、社会的な問題へと波及するリスクもあります。 このように、情報漏洩は経済的にも社会的にも甚大な影響を及ぼすため、その予防と対策には細心の注意が必要です。

クラウドストレージの過去に起きた情報漏洩の事例

クラウドストレージは、その利便性から多くのユーザーに利用されていますが、過去には情報漏洩事件も発生しています。過去の事例を学ぶことで、セキュリティの重要性を再認識し、将来的なリスクを未然に防ぐための対策を講じることができます。

以下では、過去におきた情報漏洩の事例を紹介し、その原因と対策について紹介していきます。

脆弱性を狙った外部からの不正アクセスの事例

クラウドストレージのセキュリティリスクとして代表的なものが、外部からの不正アクセスです。例えば、2021年には大手電子機器メーカーが外部の不正なアクセスにより、約9,700件の取引先情報や個人情報が流出するという事件がありました。この事件の根本原因は、アカウント情報が盗まれ、それが不正アクセスの手段とされたことにあります。アカウント情報の管理不備がこのようなセキュリティ侵害を引き起こしたと言えます。この事例から学ぶべき対策には、次のようなものが挙げられます。

  • 複雑で予測困難なパスワードを用い、それを定期的に変更すること。
  • パスワードだけでなく、SMSやメール、認証アプリを利用した多要素認証を採用すること。
  • 従業員に対して、不正アクセスの手口や安全な情報管理の方法について、継続的に教育を行うこと。

設定ミスによる事例

クラウドストレージにおける情報漏洩の原因には、共有設定ミスによるものも少なくありません。2013年には、官公庁の機密情報を含むデータが共有設定ミスにより、誰でも閲覧可能な状態になってしまった事例があります。このようなヒューマンエラーは、どのような組織でも発生する可能性があるため、以下のような対策が必要です。

  • クラウドストレージの設定を監視し、公開設定などの不適切な変更があった場合には、管理者に警告を発するシステムを導入する。
  •  アクセス履歴や設定変更履歴を記録し、定期的な監査を行うことで、不適切な動きを早期に発見する。
  • 情報漏洩が発生した場合の対応手順を事前に定め、迅速かつ的確な対応できる体制を構築する。

内部不正の事例

情報漏洩の脅威は、外部からだけでなく、組織内部からも発生します。2021年には、ある企業の従業員が競合他社へ転職する過程で、技術データを含む重要ファイルを不正に持ち出した事例があります。この事例では、約170件のファイルをメールで送信することによって、企業の内部情報を不正に持ち出したのです。このような内部不正は、特にアクセス権限を持つ従業員であれば容易に実行可能であるため、以下のような対策が必要です。

  • 従業員には必要最低限のアクセス権限のみを付与し、業務遂行に不必要な情報へのアクセスを制限します。
  • 不審なデータアクセスや大量のファイル転送が行われた場合に警告を発するシステムを導入し、内部からの情報漏洩を早期に発見する。
  • 機密保持契約や競業避止契約を結び、従業員が退職後も企業の機密情報を保護する義務を明確にする。

クラウドストレージを安全に使用するためのセキュリティ対策

クラウドストレージのセキュリティリスクを最小限に抑え、安全に使用するためには、適切なセキュリティ対策が不可欠です。

以下では、クラウドストレージを安全に利用するための具体的なセキュリティ対策について解説します。

セキュリティ機能の高いサービスを選ぶ

クラウドストレージを安全に使用するために、セキュリティ機能が充実しているサービスを選びましょう。高度なセキュリティ機能を備えたサービスを選ぶことで、外部からの不正アクセスやデータの漏洩リスクを大幅に減少させることができます。データや通信の暗号化、二段階認証、アクセス権限の細かい設定が可能なサービスが推奨されます。

アカウント管理を徹底する

クラウドストレージのセキュリティを確保する上で、アカウント管理の徹底は非常に重要です。特に、パスワードの管理には細心の注意を払う必要があります。パスワードは複雑で予測しにくいものに設定し、定期的に変更することが推奨されます。また、使用しなくなったアカウントは速やかに削除し、不要なアクセス権限は剥奪することで、内部からの不正利用のリスクを低減します。

社内でセキュリティ研修を行う

クラウドストレージの安全な使用には、従業員一人ひとりのセキュリティ意識の向上が欠かせません。そのためには、従業員に定期的な研修を行い、クラウドストレージの正しい使用方法やセキュリティリスクについての知識を高めることが重要です。研修を通じて、従業員がセキュリティ対策の重要性を理解し、日常業務において適切な行動を取れるようになれば、情報漏洩などのリスクも軽減できます。

定期的にバックアップをとる

データの損失を防ぐためには、定期的なバックアップが必要です。クラウドストレージ上のデータだけに依存せず、別の場所にもデータのコピーを保持しておくことで、データが失われた場合でも迅速に復旧できます。バックアップの頻度や方法は、データの重要性やデータ更新の頻度に応じて設定しましょう。

災害・障害発生時の対策を行う

クラウドストレージを利用する上で、災害や障害が発生した際の対策も考慮する必要があります。事業継続計画(BCP)の一環として、データのバックアップや復旧手順を明確に定め、定期的なシミュレーションを行いましょう。こうした事前の準備によって、実際の災害発生時には、迅速で効果的な対応が可能になります。

CSPMの導入を検討する

CSPM(Cloud Security Posture Management)ツールを導入すれば、クラウド環境全体のセキュリティ状態を継続的に監視し、設定ミスや不適切な設定を自動的に検出・修正することが可能になります。CSPMツールは、人的ミスをフォローし、クラウド環境のセキュリティを強化するための有効な手段です。

情報漏洩以外に起こり得る被害やリスク

クラウドストレージの使用に際しては、情報漏洩以外にも考慮すべきリスクがあります。これらのリスクを理解し、対応策を講じることが、クラウドストレージを安全に利用する上で欠かせません。以下で、情報漏洩以外にも起こり得る被害やリスクについて解説します。

データ消失・機能停止

クラウドストレージ上のデータは、ソフトウェアのバグや利用者の操作ミスなどに加えて、サービス提供者側のシステム障害などによって消失してしまう可能性があります。また、自然災害によってクラウドストレージの機能が一時的に停止することも考えられます。

こういった状況での被害を最小限にするためには、以下のような対策が必要です。

  • 冗長性が確保できているサービスを選択する選ぶ
  • 定期的なバックアップを行う
  • 過去の実績から、安定性の高いサービスを選択する

サイバー攻撃

クラウドストレージは、ランサムウェア攻撃やDDoS攻撃など、様々なサイバー攻撃の対象となり得ます。サイバー攻撃により、データが改ざんされてしまったり、サービスが利用できなくなるなどの被害が発生する可能性があります。対策としては、以下のようなものがあります。

  • アンチウイルス機能や操作ログ管理といった、セキュリティ体制が強固なサービスを選ぶ
  • 定期的なバックアップを行う
  • 利用者自身がクラウドストレージにウイルスを持ち込まないように注意する

不正アクセス

クラウドストレージのアカウント情報が漏洩することで、不正にアクセスされるリスクがあります。これにより、機密情報が盗まれたり、データが改ざんされる可能性があります。対策としては、以下のようなものがあります。

  • 多要素認証を導入しているサービスを選ぶ
  • アクセス権限の付与を必要最小限にし、定期的に見直しを行う
  • アクセスログを監視する

情報漏洩をしない最適なクラウドストレージを選ぶには?

情報漏洩を防ぐためには、セキュリティ体制が強固なクラウドストレージを選択しなければなりません。しかし、それ以外にも、クラウドストレージの選択基準はいくつかあります。

以下では、クラウドストレージを選ぶ際のポイントや、おすすめのクラウドストレージについて解説していきます。

クラウドストレージを選ぶ際のポイント

クラウドストレージを選ぶ際に考慮すべきポイントは、以下の5つです。

データ容量の検討:
日常的に扱うデータの量を考慮し、必要なストレージ容量を計算します。高解像度の画像や動画などの大容量ファイルを扱う場合は、TB単位の容量が必要になる場合もあります。また、一度にアップロードできるファイルの容量も確認しておきましょう。
容量無制限のプランを提供しているサービスもありますが、その場合のコストや、実際に提供されるサービスの内容を確認することが重要です。

対応デバイスとの互換性:
スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスからアクセスできるか確認しましょう。専用アプリが提供されているか、またその機能が業務に適しているかの検討も重要です。

強固なセキュリティ対策:
法人向けのクラウドストレージサービスには、一定水準以上のセキュリティ対策は備わっているものの、各サービスによって強みは異なります。自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて、最適なサービスを選択しましょう。

データの保存地域:
データの保存場所が日本国内のみかを確認しましょう。海外のデータセンターにデータを保存するサービスの場合、データを差し押さえられる可能性があります。

操作性と管理機能:
クラウドストレージの操作性や管理機能も重要な選定基準です。アップロードの速度やファイル共有の方法、アクセス権限の設定など、日常業務における利便性を考慮して選択しましょう。

法人向けオンラインストレージならFileforce

「Fileforce」は、強固なセキュリティ対策を備えた法人向けのオンラインストレージサービスです。さらに、柔軟な利用環境と充実した機能も備わっています。以下では、Fileforceの特徴を詳しく紹介します。

高度なセキュリティ対策:

最先端の暗号化技術や自動ウイルスチェック機能を備えていて、大切な共有ファイルの安全性を確保しています。

柔軟なユーザー管理:

ユーザー数無制限プランがあり、どのような規模の企業にも対応可能です。また、操作ログの取得配信機能やパスワードの有効期限設定などの組織管理に役立つ機能が充実しています。

多様な利用環境:

デスクトップアプリケーション「Fileforce Drive」と、ウェブインターフェイス「Fileforce Web UI」の2種類のインターフェースを使い分けることができ、従来のファイルサーバーと同じように、詳細なフォルダ構成とアクセス権管理を行うことが可能です。

日本法人による運営:

開発から運営、販売に至るまですべて日本国内で行っているため、カントリーリスクの心配がありません。

スムーズなデータ移行と導入支援:

高速データ転送ツールによって、情報システム部門の負荷を軽減しつつ、迅速にサービスを導入できます。さらに、Active DirectoryやAzure ADとの連携やシングルサインオンもサポートしているため、組織内の既存システムとスムーズに統合できます。

料金:月額55,000円(Unlimited-1プラン 容量1TB)~

まとめ

近年におけるデジタルデータ量の著しい増加によって、クラウドストレージの利用はますます広がっています。この技術の普及は多くの利便性をもたらしますが、情報の漏洩やデータの消失などのセキュリティリスクも伴います。

本記事では、クラウドストレージを取り巻くセキュリティリスクや対策について詳しく解説してきました。セキュリティリスクを最小限に抑えるために、適切な対策を講じることは当然必要ですが、企業や個人がセキュリティに対する意識を高く持つことも非常に重要です。技術の進化に伴い、セキュリティリスクの性質も変化していくため、この変化を認識し、継続的にリスクを管理することが、安全にクラウドストレージを利用する上での重要な鍵となります。

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