クラウドストレージのセキュリティは万全?潜むリスクと対策を徹底解説
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クラウドストレージは、利便性と柔軟性の高さから多くの企業で利用されていますが、情報漏洩などのセキュリティリスクも存在します。情報漏洩が起きれば、企業の信用失墜や経済的損失を引き起こす可能性があるため、徹底した対策を講じる必要があります。
本記事では、クラウドストレージの基礎知識から、情報漏洩のリスクや対策について、過去に起きた事例を交えながら詳しく解説していきます。さらには、クラウドストレージを選ぶ際のポイントやおすすめのクラウドストレージサービスについても紹介します。
最後までご覧いただき、クラウドストレージを安全に利用するための参考にしてください。
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、インターネット上のサーバーに、データを保存・共有することのできるサービスです。従来の物理的なストレージメディアと比較して、データのアクセシビリティ、コラボレーションの容易さ、コスト効率の向上などのメリットがあります。
クラウドストレージに潜む主なセキュリティリスク
クラウドストレージの利便性の裏には、常に情報漏えいやデータ消失のリスクが潜んでいます。対策を講じるためには、まずどのようなリスクが存在するのかを正確に理解することが重要です。主なリスクは「外部からの攻撃」「内部からの漏えい」「管理上の不備」の3つに大別されます。
外部からのサイバー攻撃による脅威
悪意を持った第三者によるサイバー攻撃は、企業にとって最も警戒すべき脅威の一つです。クラウドストレージサービス自体が堅牢なデータセンターで運用されていても、攻撃者は常にシステムの脆弱性を狙っています。
例えば、マルウェアに感染した端末からクラウドストレージにアクセスすることで、ファイルが暗号化され身代金を要求されるランサムウェアの被害に遭う可能性があります。また、フィッシング詐欺によって従業員のIDとパスワードが盗まれ、不正アクセスを許してしまうケースも少なくありません。
| 攻撃手法 | 概要 | 主な被害 |
|---|---|---|
| ランサムウェア | データを不正に暗号化し、復号のために金銭を要求するマルウェア | データへのアクセス不能、事業停止 |
| 標的型攻撃メール | 特定の組織を狙い、ウイルス付きのメールや不正なリンクを送り付ける | ID/パスワードの窃取、マルウェア感染 |
| 脆弱性攻撃 | ソフトウェアやOSのセキュリティ上の欠陥を悪用して不正侵入する | 不正アクセス、データ改ざん |
内部の人間による情報漏えいや不正操作
セキュリティリスクは、必ずしも外部からのみもたらされるわけではありません。
従業員や元従業員といった内部の人間による意図的な、あるいは過失による情報漏えいも深刻な問題です。 例えば、退職間際の社員が悪意を持って顧客情報をダウンロードし、競合他社へ持ち出すといったケースが考えられます。
また、操作ミスによって、本来はアクセス権限のない従業員に機密情報へのアクセスを許可してしまったり、共有リンクのURLを誤った相手に送付してしまったりするヒューマンエラーも、情報漏えいの大きな原因となります。
こうしたリスクに備えるには、技術的な対策が不可欠です。Fileforceのファイル・フォルダ共有機能は、権限管理やリンク設定を細かく制御できるなど、ヒューマンエラーによる情報漏洩を防ぐ仕組みが整っています。詳細はこちらをご覧ください。
設定ミスや管理不足による脆弱性
クラウドストレージのセキュリティは、提供事業者の対策だけに依存するものではなく、利用者側の設定や管理体制も重要です。アクセス権限の設定が甘く、全従業員がすべてのファイルにアクセスできる状態になっていれば、内部不正のリスクは格段に高まります。
また、「URLを知っていれば誰でもアクセス可能」という設定で共有リンクを作成し、そのURLが外部に流出してしまえば、大規模な情報漏えいに繋がりかねません。退職した従業員のアカウントを削除し忘れていると、不正アクセスの温床になる可能性もあります。
クラウドストレージの過去に起きた情報漏洩の事例

クラウドストレージは、その利便性から多くのユーザーに利用されていますが、過去には情報漏洩事件も発生しています。過去の事例を学ぶことで、セキュリティの重要性を再認識し、将来的なリスクを未然に防ぐための対策を講じることができます。
以下では、過去におきた情報漏洩の事例を紹介し、その原因と対策について紹介していきます。
脆弱性を狙った外部からの不正アクセスの事例
クラウドストレージのセキュリティリスクとして代表的なものが、外部からの不正アクセスです。例えば、2021年には大手電子機器メーカーが外部の不正なアクセスにより、約9,700件の取引先情報や個人情報が流出するという事件がありました。
この事件の根本原因は、アカウント情報が盗まれ、それが不正アクセスの手段とされたことにあります。アカウント情報の管理不備がこのようなセキュリティ侵害を引き起こしたと言えます。この事例から学ぶべき対策には、次のようなものが挙げられます。
- 複雑で予測困難なパスワードを用い、それを定期的に変更すること。
- パスワードだけでなく、SMSやメール、認証アプリを利用した多要素認証を採用すること。
- 従業員に対して、不正アクセスの手口や安全な情報管理の方法について、継続的に教育を行うこと。
設定ミスによる事例
クラウドストレージにおける情報漏洩の原因には、共有設定ミスによるものも少なくありません。
2013年には、官公庁の機密情報を含むデータが共有設定ミスにより、誰でも閲覧可能な状態になってしまった事例があります。このようなヒューマンエラーは、どのような組織でも発生する可能性があるため、以下のような対策が必要です。
- クラウドストレージの設定を監視し、公開設定などの不適切な変更があった場合には、管理者に警告を発するシステムを導入する。
- アクセス履歴や設定変更履歴を記録し、定期的な監査を行うことで、不適切な動きを早期に発見する。
- 情報漏洩が発生した場合の対応手順を事前に定め、迅速かつ的確な対応できる体制を構築する。
内部不正の事例
情報漏洩の脅威は、外部からだけでなく、組織内部からも発生します。2021年には、ある企業の従業員が競合他社へ転職する過程で、技術データを含む重要ファイルを不正に持ち出した事例があります。この事例では、約170件のファイルをメールで送信することによって、企業の内部情報を不正に持ち出したのです。
このような内部不正は、特にアクセス権限を持つ従業員であれば容易に実行可能であるため、以下のような対策が必要です。
- 従業員には必要最低限のアクセス権限のみを付与し、業務遂行に不必要な情報へのアクセスを制限します。
- 不審なデータアクセスや大量のファイル転送が行われた場合に警告を発するシステムを導入し、内部からの情報漏洩を早期に発見する。
- 機密保持契約や競業避止契約を結び、従業員が退職後も企業の機密情報を保護する義務を明確にする。
クラウドストレージを安全に使用するためのセキュリティ対策
クラウドストレージのセキュリティリスクを最小限に抑え、安全に使用するためには、適切なセキュリティ対策が不可欠です。 以下では、クラウドストレージを安全に利用するための具体的なセキュリティ対策について解説します。
セキュリティ機能の高いサービスを選ぶ
クラウドストレージを安全に使用するために、セキュリティ機能が充実しているサービスを選びましょう。高度なセキュリティ機能を備えたサービスを選ぶことで、外部からの不正アクセスやデータの漏洩リスクを大幅に減少させることができます。データや通信の暗号化、二段階認証、アクセス権限の細かい設定が可能なサービスが推奨されます。
アカウント管理を徹底する
クラウドストレージのセキュリティを確保する上で、アカウント管理の徹底は非常に重要です。特に、パスワードの管理には細心の注意を払う必要があります。パスワードは複雑で予測しにくいものに設定し、定期的に変更することが推奨されます。また、使用しなくなったアカウントは速やかに削除し、不要なアクセス権限は剥奪することで、内部からの不正利用のリスクを低減します。
社内でセキュリティ研修を行う
クラウドストレージの安全な使用には、従業員一人ひとりのセキュリティ意識の向上が欠かせません。そのためには、従業員に定期的な研修を行い、クラウドストレージの正しい使用方法やセキュリティリスクについての知識を高めることが重要です。研修を通じて、従業員がセキュリティ対策の重要性を理解し、日常業務において適切な行動を取れるようになれば、情報漏洩などのリスクも軽減できます。
定期的にバックアップをとる
データの損失を防ぐためには、定期的なバックアップが必要です。クラウドストレージ上のデータだけに依存せず、別の場所にもデータのコピーを保持しておくことで、データが失われた場合でも迅速に復旧できます。バックアップの頻度や方法は、データの重要性やデータ更新の頻度に応じて設定しましょう。
災害・障害発生時の対策を行う
クラウドストレージを利用する上で、災害や障害が発生した際の対策も考慮する必要があります。事業継続計画(BCP)の一環として、データのバックアップや復旧手順を明確に定め、定期的なシミュレーションを行いましょう。
こうした事前の準備によって、実際の災害発生時には、迅速で効果的な対応が可能になります。
CSPMの導入を検討する
CSPM(Cloud Security Posture Management)ツールを導入すれば、クラウド環境全体のセキュリティ状態を継続的に監視し、設定ミスや不適切な設定を自動的に検出・修正することが可能になります。CSPMツールは、人的ミスをフォローし、クラウド環境のセキュリティを強化するための有効な手段です。
情報漏洩をしない最適なクラウドストレージの選び方

市場には数多くのクラウドストレージサービスが存在しますが、セキュリティレベルは様々です。以下にてクラウドストレージを選ぶ際のポイントを、いくつか紹介します。
データ容量
日常的に扱うデータの量を考慮し、必要なストレージ容量を計算します。高解像度の画像や動画などの大容量ファイルを扱う場合は、TB単位の容量が必要になる場合もあります。また、一度にアップロードできるファイルの容量も確認しておきましょう。
容量無制限のプランを提供しているサービスもありますが、その場合のコストや、実際に提供されるサービスの内容を確認することが重要です。
対応デバイスとの互換性
スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスからアクセスできるか確認しましょう。専用アプリが提供されているか、またその機能が業務に適しているかの検討も重要です。
強固なセキュリティ対策
法人向けのクラウドストレージサービスには、一定水準以上のセキュリティ対策は備わっているものの、各サービスによって強みは異なります。自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて、最適なサービスを選択しましょう。
データの保存地域
データの保存場所が日本国内のみかを確認しましょう。海外のデータセンターにデータを保存するサービスの場合、データを差し押さえられる可能性があります。
操作性と管理機能
クラウドストレージの操作性や管理機能も重要な選定基準です。アップロードの速度やファイル共有の方法、アクセス権限の設定など、日常業務における利便性を考慮して選択しましょう。
第三者認証の取得状況
サービスのセキュリティレベルを客観的に判断する指標として、第三者機関による認証の取得状況が挙げられます。特に、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001」や、クラウドサービスに特化した「ISO/IEC 27017」などを取得しているサービスは、信頼性が高いと言えるでしょう。
これらの認証は、組織として情報セキュリティを適切に管理・運用していることの証明となります。
法人向けオンラインストレージならFileforce
「Fileforce」は、強固なセキュリティ対策を備えた法人向けのオンラインストレージサービスです。さらに、柔軟な利用環境と充実した機能も備わっています。以下では、Fileforceの特徴を詳しく紹介します。
高度なセキュリティ対策: 最先端の暗号化技術や自動ウイルスチェック機能、ランサムウェア対策機能などを備えていて、ファイルの安全性を確保しています。また、アクセス権限は20以上のフォルダ・ファイル操作項目を自由に組み合わせ、業務や組織の管理用途に極めて最適な権限のロールを任意作成することが可能です。
柔軟なユーザー管理: ユーザー数無制限プランがあり、全社導入できるためシャドウIT防止対策としてもどのような規模の企業にも対応可能です。また、操作ログの取得配信機能やパスワードの有効期限設定などの組織管理に役立つ機能が充実しています。
多様な利用環境: デスクトップアプリケーション「Fileforce Drive」と、ウェブインターフェイス「Fileforce Web UI」の2種類のインターフェースを使い分けることができ、従来のファイルサーバーと同じように、詳細なフォルダ構成とアクセス権管理を行うことが可能です。
日本法人による運営: データ管理、開発、運用、サポートすべて日本国内で行っているため、カントリーリスクの心配がありません。
スムーズなデータ移行と導入支援: 高速データ転送ツールによって、情報システム部門の負荷を軽減しつつ、迅速にサービスを導入できます。さらに、Active DirectoryやMicrosoft Entra IDとの連携やシングルサインオンもサポートしているため、組織内の既存システムとスムーズに統合できます。
料金:月額60,000円(Unlimited-1プラン 容量1TB)~
まとめ

近年におけるデジタルデータ量の著しい増加によって、クラウドストレージの利用はますます広がっています。この技術の普及は多くの利便性をもたらしますが、情報の漏洩やデータの消失などのセキュリティリスクも伴います。
本記事では、クラウドストレージを取り巻くセキュリティリスクや対策について詳しく解説してきました。セキュリティリスクを最小限に抑えるために、適切な対策を講じることは当然必要ですが、企業や個人がセキュリティに対する意識を高く持つことも非常に重要です。技術の進化に伴い、セキュリティリスクの性質も変化していくため、この変化を認識し、継続的にリスクを管理することが、安全にクラウドストレージを利用する上での重要な鍵となります。



