クラウドストレージの暗号化とは?すべき理由や暗号化ができる代表的なツール3選を解説
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クラウドストレージは、場所や時間を問わずデータを管理できる便利なサービスですが、インターネットを通じて利用するため、不正アクセスや情報漏洩といったセキュリティリスクもあります。こうしたリスクを軽減するために重要なのが「暗号化」です。データを暗号化することで、万が一第三者に取得された場合でも内容を読み取られる可能性を低くできます。
本記事では、クラウドストレージの暗号化の仕組みや重要性、暗号化機能が充実したサービスや注意点を解説します。
クラウドストレージの暗号化とは?

クラウドストレージの暗号化とは、外部の脅威からデータを保護するためのセキュリティ対策の一つです。データを暗号化することで、クラウドストレージに保存・送信する情報を安全に保護できます。
クラウドストレージはインターネットを通じてどこからでもアクセスできる便利な仕組みですが、その分、不正アクセスなどのリスクもあります。こうしたリスクを軽減するために活用されるのが「暗号化」です。保管データや通信経路を暗号化することで、第三者にデータを取得された場合でも内容を読み取られる可能性を低減できます。 また、暗号化されたデータを元に戻す際に使用する情報を「暗号鍵(暗号化キー)」と呼びます。暗号鍵は重要な情報のため、適切に管理することがセキュリティ確保のポイントです。
クラウドストレージを暗号化すべき3つの理由
セキュリティ対策には多くの種類がありますが、なぜその中でも「暗号化」が特に重視されるのでしょうか。ここでは、企業がクラウドストレージを利用する上で暗号化が不可欠である理由を解説します。
不正アクセスによる情報漏洩を防ぐため
サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しており、どんなに堅牢なシステムでも侵入のリスクをゼロにすることは困難です。ここで重要になるのが「侵入されることを前提とした対策」という考え方です。
もしハッカーがクラウドサービスのデータベースに侵入したとしても、データそのものが強力に暗号化されていれば、中身を読み取ることはできません。つまり、暗号化は情報セキュリティにおける「最後の砦」としての役割を果たします。
特に、ランサムウェアなどの攻撃が増加している現在、データ自体が保護されていることは、被害を最小限に食い止めるための決定的な要因となります。
法的規制や業界コンプライアンスを守るため
個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)など、国内外の法律において、個人データの適切な管理は厳しく義務付けられています。
多くのガイドラインでは、個人情報や機密情報を保存する際の「暗号化」を推奨しています。もし暗号化されていない状態で情報漏洩事故を起こせば、企業の社会的信用が失墜するだけでなく、巨額の損害賠償や法的制裁を受ける可能性もあります。
取引先からのセキュリティチェックシートでも「データの暗号化を実施しているか」という項目が含まれていることが多いです。ビジネスを継続し、信頼を維持するためには、暗号化の実装は避けて通れない条件と言えます。
参考:
信頼性やイメージダウンを回避するため
情報漏洩が発生すると、企業の信頼性は大きく損なわれる可能性があります。顧客データや取引情報が流出した場合、企業イメージの低下や取引停止、場合によっては損害賠償につながることもあります。
そのため、多くの企業では情報セキュリティ対策の一環としてクラウドストレージの暗号化を導入しています。適切な暗号化を行うことで、データを安全に管理できるだけでなく、顧客や取引先からの信頼を維持することにもつながります。
クラウドストレージでできる暗号化の主な種類
クラウドストレージでは、データを安全に保護するためにさまざまな暗号化が利用されています。暗号化は、データの保存時や通信時など、複数の場面で実施されることでセキュリティを高めます。ここでは、クラウドストレージで主に利用されている暗号化の種類を紹介します。
ファイルの暗号化
ファイルの暗号化とは、クラウドストレージに保存されているデータ自体を暗号化して保護する方法です。データを暗号化した状態で保存することで、万が一サーバーに不正アクセスがあった場合でも、第三者が内容を読み取ることを防げます。
多くのクラウドストレージサービスでは、保存データの保護のために強力な暗号方式が採用されています。また、暗号化されたデータを復号する際には暗号鍵が必要になるため、暗号鍵を適切に管理することも重要です。
通信の暗号化
通信の暗号化とは、ユーザーの端末とクラウドストレージのサーバー間でデータを送受信する際に行われる暗号化です。通信内容を暗号化することで、第三者による盗聴やデータの改ざんを防ぐことができます。
多くのクラウドサービスでは、通信の安全性を確保するために SSL/TLS などの暗号化通信が利用されています。これにより、インターネット経由でデータをやり取りする場合でも、情報が外部に漏れるリスクを抑えることが可能です。
暗号化の安全性を見極める2つの方法

クラウドストレージの暗号化機能はサービスによって仕組みや安全性が異なります。そのため、単に「暗号化に対応している」というだけでなく、どのような方式で暗号化されているのか、また暗号鍵がどのように管理されているのかを確認することが重要です。ここでは、暗号化の安全性を見極めるためにチェックしておきたいポイントを解説します。
暗号化方式「AES-256」を採用しているか確認する
暗号化の強度を測る際、最も分かりやすい指標となるのが採用されている「アルゴリズム(計算手順)」です。現在、世界的に最も信頼性が高いとされているのが「AES(Advanced Encryption Standard)」という方式です。
AESには鍵の長さに応じて128ビット、192ビット、256ビットの3種類がありますが、数値が大きいほど解読が困難になります。「AES-256」は現時点で最高レベルの強度を誇り、アメリカ政府や金融機関でも採用されている標準規格です。
サービス選定の際は、仕様書やセキュリティホワイトペーパーを確認し、「AES-256」という記述があるかを探してください。この記載があれば、技術的な暗号化強度としては十分なレベルにあると判断できます。
参考:
暗号化鍵の管理権限が誰にあるかを確認する
暗号化の強度と同じくらい重要なのが、「鍵(復号キー)を誰が持っているか」という点です。一般的なクラウドストレージでは、サービス提供事業者が鍵を管理しています。これは利便性が高い反面、事業者側のエンジニアがデータにアクセスできたり、事業者へのサイバー攻撃で鍵が盗まれたりするリスクが残ります。
| 鍵の管理方式 | 特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|
| プラットフォーム管理鍵 | サービス事業者が鍵を生成・管理する。ユーザーは設定不要で手軽に利用できる。 | 一般的な業務データ、共有ファイルなど |
| 顧客管理鍵(BYOK) | ユーザー自身が鍵を生成・管理する。事業者はデータの中身を一切閲覧できない。 | 機密性の高い顧客リスト、新製品の設計図、金融データなど |
より高いセキュリティを求める場合は、「顧客管理鍵(BYOK)」に対応しているかどうかが重要な選定基準となります。
クラウドストレージの暗号化ができる代表的なツール3選

クラウドストレージサービスを選ぶ際は、暗号化による強固なセキュリティが備わっているかどうかをチェックすることが一つのポイントです。ここでは、暗号化可能なおすすめツールを紹介します。
暗号化が強力『Fileforce』
法人向けクラウドストレージサービス『Fileforce』は、高い操作性とセキュリティを兼ね備えたクラウドストレージです。社内のファイルサーバーのような感覚で利用でき、企業のファイル管理や共有に活用されています。
Fileforceの特徴の一つが、強力な暗号化機能です。クラウド上に保存されるデータだけでなく、ユーザー端末とクラウド間の通信も暗号化されるため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できます。
また、「共有リンク」と呼ばれるURLを発行することで、社外ユーザーとも安全にファイルを共有できます。アクセス制限などのセキュリティ設定も可能なため、重要な業務データの安全な管理・共有を実現できます。
最新の暗号化を標準搭載『Dropbox』
Dropboxは、全世界で多くのユーザーに利用されているクラウドストレージサービスです。複数の料金プランがあり、使用頻度や用途に合わせて使い分けられます。
強固な暗号化を標準搭載していることが、セキュリティ面での大きな特徴です保管時はデータを個別のブロックに分割した上で暗号化し、転送時はSSL/TLSで保護されます 個人プランでは端末側でのデータ暗号化機能は提供されていません。ただし、チーム向けプラン(Advanced/Business Plus/Enterprise)ではエンドツーエンド暗号化(E2EE)が標準搭載されており、端末側で暗号化したファイルをDropboxサーバーに保存できます。
『Google ドライブ』をクラウドで暗号化(Google Workspace)
Googleのクラウドストレージサービス「Google ドライブ」は、多様なデータを保管できる上、共有範囲を細かく指定できることから、ビジネスシーンで幅広く利用されています。
Google ドライブにアップロードされたファイルは、無料アカウント・有料アカウントを問わず、転送時・保管時ともにAES-256による暗号化で標準的に保護されます。 加えて、ビジネス向けパッケージ「Google Workspace」(旧G Suite)を導入すれば、クライアントサイド暗号化(CSE)などの追加のセキュリティ機能を利用できます。これにより、Google自身もファイルを復号できない、より強固な保護が可能になります。
※なお、製品情報は、2026年3月時点のものです。
クラウドストレージを暗号化する際に注意すべき3つのポイント
クラウドストレージの暗号化は、データを安全に保護するために重要な対策です。しかし、暗号化を導入すればすべてのリスクを防げるわけではありません。運用面や技術面で注意すべき点もあるため、あらかじめ理解しておくことが大切です。ここでは、クラウドストレージを暗号化する際に知っておきたいポイントを解説します。
暗号化によって動作が重くなることがある
暗号化では、データを暗号化・復号する処理が必要になるため、システムや端末に一定の負荷がかかります。そのため、環境によってはファイルのアップロードやダウンロード、データの読み込みに時間がかかる場合があります。
近年のクラウドサービスでは高速な処理が可能になっているものの、大容量データを扱う場合や端末の性能が低い場合には、動作速度への影響が出る可能性があります。 こうした処理負荷による使いにくさを防ぐには、操作性やパフォーマンスを考慮したクラウドストレージを選ぶことも重要です。
例えば法人向けクラウドストレージの Fileforce は、Windowsエクスプローラーからファイルへ直接アクセスできるため、従来のファイルサーバーと同じ感覚でスムーズに利用できます。また、操作ログや権限管理など法人向けのセキュリティ機能にも対応しており、ユーザー数制限がないため全社導入もしやすい点も特徴です。
導入を検討しているならぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。
暗号鍵を紛失しないように徹底管理する
暗号化されたデータを元の状態に戻すには「暗号鍵(暗号化キー)」が必要です。この暗号鍵を紛失すると、正規のユーザーであってもデータを復元できなくなる可能性があります。
暗号鍵は安全な場所で保管し、アクセス権限を適切に管理することが重要です。企業で運用する場合は、鍵管理システムを導入するなど、組織的に管理する体制を整えることが望まれます。
完全にデータを守れるとは限らない
暗号化は非常に有効なセキュリティ対策ですが、それだけで完全に安全になるわけではありません。例えば、アカウント情報の漏洩や不適切なアクセス権限の設定、内部不正などが発生すると、データが閲覧される可能性があります。
そのため、クラウドストレージの安全性を高めるには、暗号化だけでなく多要素認証やアクセス管理、ログ監視などの対策を組み合わせて実施することが重要です。
まとめ
クラウドストレージの暗号化は、データを安全に管理する上で重要なセキュリティ対策です。ただ、利便性が高い一方で、インターネットを通じて利用するため、不正アクセスや情報漏洩のリスクもあります。そのため、サービスを選ぶ際は、ファイルや通信の暗号化などのセキュリティ機能が備わっているかを確認することが大切です。
より高いセキュリティを求める場合は、エンドツーエンド暗号化に対応したソフトウェアの利用も有効です。暗号化の仕組みを理解し、用途に合ったサービスやツールを選ぶことで、重要なデータをより安全に管理できるでしょう。



