クラウドストレージとは?わかりやすいメリット5つ! 無料有料の違いも解説

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クラウドストレージとは?わかりやすいメリット5つ! 無料有料の違いも解説

公開日:
2021/02/08
最終更新日:
2023/04/12
パスワード運用とカギの図
目次
パスワード運用とカギの図

クラウドストレージとは、ドキュメントファイルや画像、動画といったデータをインターネット上のストレージにアップロードすることで、それらのデータの保存や共有を実現するサービスです。 例えば作成途中の資料や顧客向けの提案資料を上司に確認してほしいという時、あなたはパソコン上のファイルをどこに保管し、どのような手段で上司や同僚と共有しますか?以前であれば、パソコン上に保管したものをメールで共有したり、完成した資料をUSBメモリに保管したりして共有をしたことがあるかもしれません。 しかしいずれの方法も業務効率化や物理的な問題に加え、パソコンやUSBメモリの紛失や盗難のリスク、ウィルス感染や最近では「パスワード付きZipファイル」のメール添付(いわゆる“PPAP”)はセキュリティ観点で受け付けられないという企業も増え、新たな手段を探している方が増えています。また、自社で運用しているファイルサーバやNASといったシステムの後継サービスとして、あるいは喫緊のテレワークや働き方改革といったニーズに応えるために、「クラウドストレージ」を検討する企業やシステム担当者は増えています。 この記事では、クラウドストレージとは何かという説明に始まり、そのメリットやデメリットの比較および、有料版と無料版の違いをわかりやすく解説しています。

クラウドストレージとは?やさしい基本機能解説

クラウドストレージを活用する人たち

ドキュメントファイルや画像、動画といったファイルを保存するクラウドストレージの概要を解説します。なお、クラウドストレージサービスは大きく「個人向け」と「法人向け」に分かれますが、ここでは「法人向け」に限定して解説を進めていきます。 まずは、仕組みや基本機能を理解しておきましょう。

クラウドストレージは「インターネット上のデータ・ファイル保存場所」

クラウドストレージとは、インターネット上に用意されているファイルやデータの保存場所(領域)で、サービスベンダ(サービスの運営会社)が提供するストレージサービスを、有料または無料で利用する形式が一般的です。 クラウドストレージは、インターネットに接続さえしていれば基本的には端末の種類や接続元の場所に関わらずどこからでもアクセスできることが特徴です。また、社内および同一組織内、さらには特定の社外ユーザとも、同一のファイルやデータを共有したり参照したりすることが可能です。 クラウドストレージとして使用できるストレージ容量は、サービスベンダおよびサービスのプランにより様々です。物理的なストレージとは異なり、ストレージ容量の増加に柔軟に対応したり、物理ストレージのバックアップ環境として活用したりすることができ、データ消失のリスクも最小限に抑えられるというものです。

クラウドストレージとローカルストレージの違い

パソコン端末等で作成したデータやファイルは、特別な設定をしない限りパソコン内部のローカルストレージ(ローカルディスク)に保存されます。物理端末内に保存されているデータのため、ファイルデータへのアクセスが速く操作性に長けている一方で、物理的ストレージの容量に制限に到達すると容易に拡張はできず、別の保存場所を検討する必要があります。 また端末で保存したファイルを共有したい場合は、冒頭でもお伝えしたようなパスワード付きZipファイルをメール添付する方法や、データ転送ツールやネットワークを介した外付けハードディスクまたはUSBメモリ等の物理媒体による共有など様々ですが、いずれもセキュリティリスクを伴うことやデータ紛失に備える対応が必要といった悩みが付きまといます。 クラウドストレージであれば保存データが契約容量に到達した場合も、容易にストレージ容量の追加が可能であることに加え、定期的なバックアップからも解放され、URLリンクや個別フォルダアクセスによるデータ共有もセキュアに実現可能となります。 なお、パスワード付きZipファイル運用/PPAPについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

クラウドストレージとオンラインストレージは同義

クラウドサービスはインターネットを介して提供されるサービスをいい、ソフトウェア/アプリケーション、サーバー、ストレージ、開発環境、ITインフラなど、それぞれインターネット経由で利用するサービスとしてSaaS、PaaS、IaaSと呼びます。 ストレージについては、従来「オンラインストレージ」と呼ばれていたものが、 “クラウド”の概念が浸透したことでクラウドストレージとも呼ばれるようになっています。基本機能や容量、特徴などに関してもクラウドストレージとオンラインストレージに相違点はなく、この記事では「クラウドストレージ」に表現を統一して解説を進めます。

クラウドストレージの主なメリット

クラウドストレージのメリットについて

クラウドストレージを活用する代表的なメリットを紹介します。

クラウドストレージで場所を問わず保存・参照・情報共有

クラウドストレージであれば、物理的なストレージやファイルサーバの設置場所や業務を行う場所および時間帯に制限されること無く、インターネットに接続さえすればパソコン、タブレットやスマートフォン等あらゆる端末からファイルの保存、参照、共有といったことが可能です。 また、同じ組織であればクラウドストレージ内のフォルダを介して、組織外のメンバとであればURLリンクやアクセス制限をした上で共有フォルダを介して、ファイルデータを授受するといったことが可能です。これにより情報共有のタイムラグを最小限に抑え、業務効率化と生産性向上が期待できます。

クラウドストレージはバックアップが不要

パソコンのローカルディスクや外付けハードディスク、ファイルサーバ等にデータやファイルを保存すると、何らかの原因で機器が故障した場合にデータやファイルが消失してしまう恐れがあることから、定期的にバックアップをとる運用が求められます。 一方、クラウドストレージあれば冗長構成と強固なインフラ環境の上に構築されているサービスであり、ファイルデータそのもの保存時点で複数拠点にデータがコピーされていることから、データ消失の確率は極めて低いものとなります。万が一クラウドストレージのインフラの一部に障害等のトラブルが発生した場合も、先に述べたように冗長構成の環境となっていることでユーザ側は特にトラブルを意識することなく業務を継続できるといったメリットがあります。

クラウドストレージは災害対策やBCP(事業継続計画)としても有効

クラウドストレージがバックアップを取る必要がないことは、災害対策やBCP(事業継続計画)の観点でも非常に有効です。 災害時や火災による社屋の倒壊または破損の際、従来のようにオフィスや特定のデータセンターに物理ストレージを設置している場合は、オリジナルのデータやバックアップデータが消失するリスクと常に隣り合わせです。企業としてはそれに応じた対策を講じ、定期的に見直しをして事業を継続せねばならず、特に小規模オフィスや中小企業でシステム専任担当者が不在または他業務と兼務体制であったり、情報システム担当者がひとりであったりする場合のそういった負荷は非常に高いものとなります。 クラウドストレージであればバックアップも不要、サービスによっては物理的に距離の離れた複数データセンターにコピーデータを保持しサービスが継続できる体制をとっています。万が一際にも、インターネットの接続環境さえ確保できれば、クラウドストレージのファイルへアクセスし業務再開が最短時間で可能になるのです。

クラウドストレージは常に最新機能を利用できる

クラウドストレージサービスはインターネットを介して提供されており、その機能は常に最新のものにアップデートされていきます。 従来、端末にインストールするソフトウェアやアプリケーションの場合は、新機能やオプション追加の際に投資が必要だったり、入れ替え作業が必要だったりと、コストや手間をかける必要がありました。その点において、クラウドストレージであれば日々の業務を止めること無くアップデート機能が利用可能になる点はクラウドならではのメリットです。

クラウドストレージであれば物理ストレージの管理運用からも解放

クラウドストレージは、ユーザ企業側でのバックアップ作業が不要なことを先に述べましたが、バックアップ作業だけでなく定期的なメンテナンスやセキュリティ対策といった運用、保守にまつわる作業やコストも含めてサービスに含まれている点は、企業のシステム担当者あるいはファイルサーバやNAS運用担当としては非常に大きなメリットと言えます。 特にそういったシステム管理業務を兼任されている企業担当者や、システム専門部隊が不在のチームにおいては、物理ストレージの管理運用から解放されることに加え、保守切れや老朽化更新といった対応もタスクから除外することが可能となります。

クラウドストレージで注意すべき点

クラウドストレージで注意すべき点の確認をする人

クラウドストレージを安心して利用するためには、セキュリティとネットワークに対する対策が重要です。デメリットを理解した上で活用を検討されることをお勧めします。

クラウドストレージ利用においてはセキュリティ対策が不可欠

企業の大切なデータやファイルを保存するクラウドストレージでは、万全なセキュリティ対策が欠かせません。 ストレージがサイバー攻撃を受け、個人情報や機密情報が漏えいしてしまうと、社会的信用の失墜・業務停止・賠償責任など、大きな損害を被る恐れがあります。 サービスを選ぶ際は、サービスの仕様としてどのようなセキュリティ対策を講じているか、またそれが自社のセキュリティポリシーに沿っているものかを確認し、より信頼できるサービスを選ぶ必要があります。 また、運用面では、職制や業務に合わせた適切なアクセス権限の付与ができることはもちろん、IDやパスワード管理、定期的なパスワード更新、ファイル共有の際のルール順守といった、従業員のセキュリティリテラシーを高める教育や、セキュリティデーを設けて定期的に社内のセキュリティルールを再認識する機会を設けることもポイントです。

安定したネットワーク環境が重要

クラウドストレージの利用に際しては、インターネット品質が業務の生産性を左右するといっても過言ではありません。 外出先でストレージにアクセスする際は、VPNがあればその利用の徹底やスマートフォンのテザリング機能を使ったり、パスワード付Wifiといったセキュアなネットワークを利用できるコワーキングスペースを探したりと、インターネットがセキュアに利用環境できることが前提となります。 クラウドストレージのサービスによっては、ネットワーク接続が不安定であったり、回線自体が細かったりとネットワーク品質が悪い場合に、ファイル参照に非常に時間がかかったり、編集中のファイル保存が中断されてしまったりといった懸念があります。 こういったネットワーク環境において、作業中または直近で作業していたファイルについてはオフライン作業が可能かつ、インターネット接続が復旧したタイミングでクラウド上に変更内容を同期してくれるクラウドストレージもあります。サービス選定の際にはこの点も必ず確認をしておきましょう。

クラウドサービスの無料版と有料版。その違いは?

無料版と有料版の違いについての確認をする人

本記事は、法人向けクラウドストレージについてご紹介していますが、クラウドストレージサービスの種類として無料版と有料版といった切り口もあります。それぞれの違いも確認しておきましょう。

無料版クラウドストレージは容量や機能に制限あり

基本的に無料版クラウドストレージは有料版に比べて利用できる機能が制限されています。一方で、手軽に始められ使い勝手が良いメリットがあり、個人的なデータを一時保管したりプライベートで共有したりする場合には、無料版でも役立てるケースがあります。 無料版クラウドストレージは、大量のデータを長期的に保存したい場合には向かず、企業や組織で導入する場合に必要な暗号化を始めとするセキュリティ対策や操作ログの保持といった監査対応に必須ともいえる機能等も充実していないことが多いことから、法人利用は避けた方が良いでしょう。 なお、無料版のクラウドストレージの多くは、ユーザ自らインターネット上で簡単にユーザ登録をして即座に利用開始が可能であり、「シャドーIT」と呼ばれる、企業として未承認のサービスが点在する状況がセキュリティの観点で問題視されて久しく、そういった課題の対応としても安易に無料サービスを企業として活用していくことには慎重になるべきです。 「シャドーIT」の課題についてはこちらの記事でも触れています。是非参考にしてみてください。

有料版クラウドストレージはセキュリティ対策やサポートも安心

多機能・大容量の有料版は、主に法人向けサービスとして提供されています。さまざまなプランが用意されており、利用用途や利用規模に応じたサービス選定が可能です。 ファイルやデータ等は企業の機密情報や個人情報を有するケースが少なくないため、一般的には徹底したセキュリティ対策が施されており安心して利用できるでしょう。 また、無料版で標準提供されないサービスとして、サポート対応が受けられる点も有料版ならではのメリットです。セットアップ時や導入後に不安がある場合でも、専門スタッフの支援が受けられたり、利用開始時のレクチャーを受けられたりといったメリットがあります。なおクラウドストレージのサービスによってはサポート拠点が日本国内に無い場合もあり、支援体制の有無と合わせて確認しておくことで導入後にトラブルが起きた場合も迅速な対応が受けられるでしょう。

ファイルサーバの後継システムとして活用可能なクラウドストレージも

サービスによっては、従業員個人やチーム個別のファイル保管場所にとどまらず、従来のファイルサーバの後継システムとして運用が可能な高機能クラウドストレージも存在します。 従来のファイルサーバでは追加投資により実現していたセキュリティ対策や安全なファイル共有の機能を標準的に備え、さらに先で述べた災害対策やBCPとしての位置づけも担うクラウドストレージは、まるごとファイルサーバのリプレースにも最適です。 サービスやプランによっては、シンプルなファイル保管のみを想定しているものもあり、サービス選定時には以下の記事で取り上げている選定ポイントも踏まえて機能充足を評価してみてください。

有料版クラウドストレージの無料トライアルを活用

多くの法人向け有料版クラウドストレージは、無料のトライアル期間が設けられており、その期間目安は数日~1カ月程度となっています。 サービスによっては、機能や容量が一部制限されるものと、本番利用と同一の環境で利用できるものとがあります。また、ユーザにとってわかりやすく、操作ミスをしづらい画面かどうか、システム管理者が自社のセキュリティポリシーに合わせた運用の可否や全体の利用状況や設定内容を把握しやすいかどうか、といった点も含め、トライアル時にくまなく確認することで正式運用開始後の業務もスムーズになります。 多くの企業ではシステム担当者がサービス選定から導入まで行いますが、全社的に利用するクラウドストレージだからこそ、協力的な社内メンバを募りトライアル利用に参画してもらう事で、自社業務に合ったサービスかどうかをユーザ意見として取り入れ、導入後の着実な利用促進につなげましょう。

まとめ

クラウドストレージとは、インターネット経由でクラウド上にデータやファイルを保管でき、物理的な業務場所や時間を問わずファイルにアクセスたり、社内外との安全なファイル共有が可能であるだけでなく、バックアップやメンテナンス作業も物理ストレージと比較して圧倒的に時間を削減できるといった多くのメリットがあります。 無料版のクラウドストレージも存在しますが、機能制限があることとセキュリティ対策の面から法人利用を目的とする場合には、有料版クラウドストレージの利用を検討しましょう。クラウドストレージのメリットとデメリットを把握し、自社の業務や利用目的、セキュリティポリシーに沿うサービス選定のため、無料トライアルも活用しましょう。 なお、社内のファイルサーバやNASをクラウド化したい方には、以下の記事もおすすめです。

クラウドストレージの様々な活用方法、活用メリットについては、こちらの記事でも紹介しています。

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