【必見】ファイルサーバーのクラウド化メリットとサービス選定ポイント

公開日:
2021.11.11
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最終更新日:
2022.04.26

ファイルサーバーのクラウド化は、オンプレミス環境の運用にまつわる非常に様々な課題に対する一つの解として多くの人が検討されています。
法人で運用されているファイルサーバーに関する悩みとして具体的には、以下のような事象があります。

◆よくある課題:
  • ストレージ容量のひっ迫や管理
  • ハードウェアのリプレースや維持保守にかかる作業
  • ファイルサーバーの運用リソース不足や担当者の不在
  • 運用自体は汎用的だがシステムトラブル時の業務影響が大きく運用リソース削減に踏み切れない など

ファイルサーバーの運用担当者が恒常的に抱えている上記のような課題もあれば、ビジネスを取り巻く以下のような環境の変化にも対応していく必要があり、運用担当者の負担は増えています。

◆ビジネスを取り巻く環境の変化:
  • ワークスタイルの多様化によるセキュアなファイルアクセスのニーズ
  • 電子帳簿保存法など法令改正への対応
  • 2023年のWindowsServer2012のサポート終了の対応

さらに運用側の課題だけではなく、利用者側としてもファイルサーバーの利便性や業務生産性に関する課題は少なくありません。社内外のファイル共有の動作一つをとっても、年々取り扱うファイルやデータは大容量化し、従来のZip圧縮とパスワード別送といったメール添付によるファイル共有の手法や、利用し慣れないファイル共有ツールなど、ファイルを送る側と受け取る側双方にとってセキュリティリスクがあったり、利用を戸惑ったりする方法は避けたいものです。

そういった様々な背景から、物理的なファイルサーバーの運用をしながら、企業が効率的な業務を推進することは限界がきているともいえ、ファイルサーバーのクラウド化を進める企業は非常に増えています。

本記事ではファイルサーバーのクラウド化によって上記の様々な課題をブレイクスルーするだけでなく、クラウド化のデメリットと言われがちな点においては事前にポイントを押さえ、メリットを最大化するための解説をしています。

ファイルサーバーをクラウド化するとは?メリットとデメリットも解説

クラウドストレージ

ファイルサーバーをクラウド化(クラウドで運用)するとは?

ファイルサーバーをクラウド化するという場合、以下の2パターンが想定されます。

クラウドサービスのパターン ファイルサーバーの構築 ファイルサーバーの運用とサポート
IaaS (Infrastructure as a Service) インターネット上の仮想ストレージに自社で構築 自社で運用(トラブル時は、自社構築箇所とIaaSベンダーの提供する仮想環境との原因切り分けも必要)
SaaS (Software as a Service) SaaSベンダーが構築 SaaSベンダーが運用
利用者側は「ファイルサーバーの機能」を利用する

AWS(Amazon)やAzure(Microsoft)に代表される、いわゆるIaaS環境では、基本的にはクラウド化をする企業がクラウド上で割り当てられたコンピューティングリソースでサーバを構築、ファイルサーバーの機能として利用できる状態にする必要があります。IaaSの活用により、運用担当者が抱えるストレージ容量やハードウェアリプレースに関する課題は解消されますが、運用リソース課題や構築コスト、セキュリティ対策に関する課題は残ってしまいます。
この記事では、ファイルサーバーのクラウド化によって得られる利便性に加え、運用まで含めたトータルコストの削減や、IT部門のリソース不足の解消に寄与する、➁のSaaS活用・クラウドストレージサービスの導入をファイルサーバーのクラウド化と位置づけ、解説をすすめていきます。

ファイルサーバーをクラウド化するメリットは?

オンプレミスの社内ファイルサーバーの代替として、SaaSのファイルサーバーを導入すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。クラウド化で得られる代表的なメリットを4つ紹介します。

➀クラウド化は導入および運用のコスト、導入リードタイムを抑えられる

ファイルサーバーのクラウド化の最も大きなメリットは、導入と運用にかかるコストを抑えられることです。導入にあたって初期費用がかからないクラウドストレージサービスも多く、月額または年額費用の負担のみで常に最新のサーバ環境でストレージ機能を利用できるのが魅力です。

導入時は物理ハードウェアや管理用ソフトウェア、バックアップソフトウェア等の調達業務、調達費用は不要となり、あくまでサービスの利用につき、管理者側もクラウドストレージのユーザー割り当て等するだけで、その他の構築作業は必要ありません。従来、オンプレミス環境の構築やリプレースに費やしていた時間も他の業務にシフトすることが可能です。

クラウドファイルサーバーの料金形態は、「定額制」と「重量課金制」の2種類が一般的です。

定額制 固定金額を支払う
従量課金制 必要なユーザー数やストレージ容量に応じて課金

予算や経営の観点からは定額制の方が見通しを立てやすいといメリットもありますが、容量無制限のプランでは利用頻度に関わらず1ユーザーあたりの単価が高くなりがちという面があります。利用用途やユーザーの業務に合わせてサービスを選択する事がポイントです。

また、定額制のサービスにおいてユーザー数が無制限のサービスプランを提供しているベンダーもあります。その場合はストレージ容量を追加する際の単価も忘れずに確認をしましょう。このほか、高精細な動画や画像を主に扱う業務や、IoT関連の大容量データ分析のためのデータレイク用途など、大容量のストレージ環境が必要な場合により高コストパフォーマンスで利用できるサービスなど、いずれにしても自社の利用用途に最適なプランをまずはベンダーに相談してみましょう。

➁ファイルサーバーのクラウド化ならリモートワークにも対応できる

近年は特に、ワークスタイルやビジネス環境の変化によってオフィス以外で勤務する「リモートワーク制度」や「テレワーク制度」を導入する企業が増えています。そういった制度の導入が急速に進む中で、社外からVPN経由で従来のオンプレミスファイルサーバーにアクセスする際にネットワーク帯域が不足し、業務が滞ったというケースも少なくはありません。

ファイルサーバーをクラウド化して利用する場合、インターネット接続さえ確保できれば、場所を選ばずに必要なファイルやデータにアクセスでき、社外で働く社員が多い企業や、社内ネットワークが使えない環境でもファイル共有をする業務が頻繁に発生する組織に適したサービスといえます。

また、クラウドファイルサーバーの機能は様々で、サービスによっては必要なメンバー間で「ファイル共有」したり「ファイルの共同編集」をしたりといった使い方ができるものもあります。クラウドファイルサーバーの「ファイル共有」機能の多くは、メールに添付して都度ファイルを送受信するよりも効率的かつセキュリティの面でも安全と言えます。サービスによっては、万が一ファイルを誤送信した場合の「共有停止」機能が備わっていたり、ファイル共有をする際の上長承認を必須にしたりといったことも可能です。

こういった機能に代表される、オンプレミスのファイルサーバーではシステム化しきれなかった運用が、クラウドファイルサーバーを利用する大きなメリットの一つと言えるでしょう。

➂ファイルサーバーの運用保守はクラウド化だからベンダーに一任できる

ファイルサーバーをクラウド化した場合は、自社で運用保守をする必要はありません。ソフトウェアや機能のアップデートを含めてベンダーにすべて任せられるのは非常に大きなメリットです。

一般的に、ファイルサーバーは業種や業界を問わずに必要かつ業務への影響も大きいミッションクリティカルなシステムではあるものの、その運用自体は汎用的な業務でもあります。だからこそベンダーに委託できる範囲は大きく、クラウドファイルサーバーを活用することで自社のITリソースをより戦略的なDX関連業務などに振り向け、組織の変革を推進できるようになります。

また、SaaSの基盤であるハードウェア等に障害やトラブルが起こった際にも、サービス自体は冗長構成によって可用性が保証されており、且つ有事における復旧作業自体は当然ベンダーが対応するため、自社内にファイルサーバーの運用知識をもつ社員がいなくても安心して導入することが可能です。

大企業はもちろん、ITリソースに余裕がない中小企業やスタートアップ企業であっても、費用のみだけではなく、社員のリソースや負荷を抑えて導入、利用できることがファイルサーバーのクラウド化のポイントです。

➃災害発生時のリスクヘッジ・BCP対策としてもクラウド化は有効

ファイルサーバーをクラウド化した場合は、災害発生時におけるファイルサーバー内のデータ破損・消失のリスクを最小限に抑えられます。ベンダーがサービスの基盤として利用しているデータセンターは地震・水害・火災などのあらゆる災害を想定した堅牢な構造となっており、それらの多くはデータセンター内だけでなく、複数データセンター間で冗長化を図ることで、サービスの停止や復旧の遅れといったリスクをコントロールしています。

また、自社が火事や浸水などの災害でダメージを受けた場合も、遠隔地にあるデータセンターは被害を受けず運営できる点もクラウド化のメリットです。オンプレミスのファイルサーバーは自社内に物理マシンを設置するため、被災するとデータそのものも破損してしまう事となります。さらにバックアップデータに影響がなかった場合も、リストア作業や復旧までの間の業務への影響は甚大です。また、最終バックアップのタイミングから災害発生時までに更新されたファイルのリカバリーができないという課題への対処も必要となってくる等、一度トラブルが発生すると場合によっては他業務の継続が難しくなる可能性もでてきてしまうのです。

その点、ファイルサーバーをクラウド化している場合は、万が一自社オフィスが被災してもインターネット回線さえ復旧すればファイルストレージへアクセスできるため、業務再開が迅速かつ容易になります。ファイルサーバーのクラウド化は、事業継続の観点でも非常にメリットがあるといえます。

ファイルサーバーをクラウド化するデメリットとその対策は?

ノートパソコンのからクラウドにアクセスしている

ファイルサーバーをクラウド化する際のデメリットを把握することは、より自社にフィットするサービスの選定につながります。

ここでは代表的なデメリットとその対策を4つ紹介します。

➀ユーザーの通信環境に影響を受けやすい

ファイルサーバーのクラウド化にまつわるリスクとしては、通信状況によってファイルサーバーを利用できなくなる場合がある点です。例えば、Wi-Fiやルーターなどインターネットに関連するトラブルの発生や災害があると、クラウド上のデータにアクセスできなくなってしまいます。ネットワーク環境を含めたクラウドサービスが復旧するまでの間は、クラウド環境に保存しているデータを利用できないため、結果的に業務に支障が出てしまうというものです。

一部のクラウドファイルサーバーではそういったトラブル時の対策として、キャッシュ機能を活用しオフラインでもファイルの参照や編集を継続可能なものがあります。例えば、出張時の移動中やリモートワーク等の通信状況が悪い環境下で業務を継続する必要がある際には、このような機能は非常に有効です。サービスを選定する際にはオフライン時でのファイル利用可否も確認しておくとよいでしょう。

➁クラウドサービスの機能はパッケージ化され、カスタマイズ性が低い

クラウドファイルサーバーのインフラやシステム機能はベンダーがサービスとして提供しているため、ファイルサーバーに必要な標準的機能を短期間で整備できる利点がある一方で、自社の業務に合わせた機能カスタマイズは難しくなります。
サービスによっては、オプションで機能追加できるものもあるため、自社の利用用途や現場のニーズをもとに機能要件を明確にし、スムーズに導入を進めましょう。

なお、ここではあえてデメリットとして記載しましたが、従来であれば運用に合わせて費用をかけてカスタマイズをしていたオンプレミスの発想から、自社の業務やニーズに沿うサービスを正しく選定することで、使いやすく汎用化された機能をあますことなく活用し、サービスのバージョンアップや時代に合わせた新しい機能を活用することができる点は、クラウドのメリットを最大限享受しているとも言えるでしょう。

➂ファイルサーバーをクラウド化することで従来環境の管理・運用方法を変える必要がある

ファイルサーバーをクラウド化する際に運用方法への影響が大きいポイントのひとつはアクセス権限設定に関する操作や管理でしょう。クラウドファイルサーバーのサービスによっては、アクセス権限が上位の特定フォルダ階層にしか設定できず、深いフォルダ階層では個別のアクセス権限のコントロールができないものもあります。

このようなサービス仕様の特徴として、ファイルサーバーのがフラットな構造になることが挙げられ、従来のファイルサーバー運用では可能だった、直感的でわかりやすい情報共有が困難になる場合があります。一方で、オンプレミスのファイルサーバーやNAS運用を継承しやすい設計をコンセプトにしているサービスもあります。日本の企業では組織別のフォルダ構成を階層的に作り、役職や業務ごとにアクセス権限を設定しているケースが多く、この運用を再現できるサービスを選ぶことは特に「法人内ファイルサーバーのクラウド化」という観点では重要でしょう。

➃情報資産の保管場所としてのカントリーリスクが懸念される

ファイルサーバーをSaaSでクラウド化した場合、何らかの理由でサービスが終息するなど、継続利用に影響が出る可能性も否定できません。これらのリスクを最小にするために、サービス選定時にはベンダーの実績や信頼性のほか、サービス基盤や通信が海外の法規制下で管理されたり、海外含む外部に開発や運用保守を委託していたりする場合のカントリーリスク(※)も考慮しながら、検討をすすめるべきでしょう。

(※)特定の国の政治情勢や経済情勢の変化によりもたらされるネガティブな影響や、法令や当局による情報開示や差し押さえなどの恐れを「カントリーリスク」と表現しています。

クラウドサービスのカントリーリスクに関する記事でもこの点を詳しく紹介しています。

法人がファイルサーバーをクラウド化する際のサービス選定ポイント

ファイルサーバーをクラウド化する際に、特に法人として確認しておきたいポイントは、以下の7点でしょう。

ストレージ容量
/追加容量
各ベンダーのサービスによって、利用できるストレージ容量は異なります。既存ファイルサーバースペックや運用を考慮したサービスメニューを選定しましょう。
機能 ファイルのアクセス権限設定、多様なファイル共有パターン等、サービスに実装されている機能もベンダーによって様々です。ストレスの無い操作性が実現できるかを含め、トライアルサービスで実際の使用感を確認するのがよいでしょう。
費用
(初期・月額)
ユーザー毎、データ容量毎、容量無制限など各ベンダーのサービス毎に課金の体系が異なります。また、初期費用の有無や、オプションによる追加費用の有無をチェックするようにしましょう。
セキュリティ ユーザー認証やアクセス権管理、通信およびデータの暗号化、監査証跡・詳細ログ。SSL対応やウイルスチェック等など、自社のセキュリティ要件に照らして必要な対策・機能が実装されているかを確認しましょう。
ユーザビリティ 特別なトレーニングなしで直観的に操作できるか、操作ミスを防止しやすいユーザーインターフェースであるか、等を確認しましょう。Webからの操作だけでなく、Windowsのエクスプローラからクラウドにアクセスできるアプリケーションを提供しているサービスもおすすめです。
サポート体制 トラブルや障害発生時だけでなく、セットアップや導入後も想定して、サポート体制やサポート拠点、対応言語について事前に確認するようにしましょう。
データ移行 オンプレミスのファイルサーバーやNASからのデータ移行が簡単に行えるサービスがおすすめです。専門知識がなくてもデータ移行ができる転送ツールを無料で提供しているサービスを選びましょう。

それぞれの項目に対し自社の要件を整理し、利用目的に合うサービスの選定をするようにしましょう。

法人がファイルサーバーをクラウド化する際に無料プランが最適ではない理由

クラウドファイルサーバー、クラウドストレージサービスはいくつものベンダーから提供されており、サービスメニューによっては無料で利用が可能なものも珍しくはありません。

個人単位では無料のクラウドファイルサーバーを利用した経験がある方は多く、非常に気軽に様々なデバイスから利用できることで広く普及していることは事実です。とはいえ、法人がファイルサーバーをクラウド化する場合は、無料サービスプランを避け有料版の導入を強くお勧めします。

その理由を3点ご紹介します。用途として、社内ファイルサーバーやNASの代替としてクラウドファイルサーバーの活用を検討するのであればなおのこと、以下は参考にしてみてください。

➀クラウド化した場合にセキュリティ対策の機能が自社の要件を満たさない

セキュリティ対策がどのようにサービスに実装されているかは必ず確認するべき点ですが、その他にも運用のしやすさや、意図せず情報漏洩につながるような操作をさせないシステムデザイン、詳細なアクセス権限設定が可能な点も重要なポイントとなります。これらの面において無料サービスプランは、個人のプライベート用途であったりデータの保存期間に期限があったりするなど、法人の「ファイルサーバー」として一般的な業務に耐えられるものではないと考えるべきでしょう。

また、会社が管理しない無料クラウドストレージサービスを社員が許可なく業務利用することで、「シャドーIT」と呼ばれる未知のセキュリティリスクが発生します。そういったリスクの蔓延を防ぐ対策として、ユーザビリティに優れた有料クラウドファイルサーバー環境やセキュアな有料ファイル共有ツールを整備する必要があり、それらは必要コストといえるでしょう。

➁万が一のトラブル時にベンダーサポートを受けられない

万が一のトラブル時にベンダーサポートを受けらなかったり、対応が簡易的であったりする場合があります。そもそも自社のセキュリティ要件を満たさない仕様である等、気軽に利用できることと引き換えに組織としての統制は取りづらい点も有料版をおすすめする理由として挙げられます。

➂クラウドファイルサーバーは業務に必要な機能が不十分

無料のクラウドストレージサービスの多くは、アクセス権設定や、フォルダの閲覧権限の設定が非常に簡易的であったり、データ容量や保存期間、ログ機能にも制限があったりします。そのため仮に法人がファイルストレージの一部として利用する場合や、ファイル共有のツールとして利用する場合、業務効率化とセキュリティ対策の観点で得られるものは多く無く、むしろリスク要素が大きいことを認識したうえで導入の判断する必要があります。

無料版との違いは、クラウドストレージの仕組みに関する記事でもご紹介しています。

ファイルサーバーをクラウド化する際の移行方法


ファイルサーバーをクラウド化するメリットや、サービス選定時に考慮するポイントも把握したうえで、実際の導入に向けて避けては通れないのが既存システムからの「データ移行作業」です。移行のパターン3つを次で具体的に確認しましょう。

➀自社でクラウドファイルサーバーに移行する

既存のファイルサーバーのシステムや運用、導入するクラウドファイルサーバーのサービス仕様を理解し、且つ社内のスキルや導入期間にも余裕がある場合は、自社体制のみでシステムをクラウドストレージ環境に移行することは不可能ではないでしょう。初期費用がない場合は月額/年額の費用のみで利用開始ができ、ベンダーに対するキャッシュアウトを最小限にできるパターンです。ベンダーによっては、ユーザー企業自身での移行を支援する体制や、無料の移行ツールを用意している場合もありますので確認してみましょう。

➁クラウドファイルサーバーへの移行を外部へ委託する

クラウドサービスのベンダーや、サービス仕様をよく理解している販売パートナー等、社外に移行を委託するパターンです。プロジェクトの管理は必要ですが、自社内のリソースに余裕がない場合はこういった作業をベンダーに依頼することは可能です。ただし、機密データを取り扱う作業となるため、信頼できるベンダーと慎重にプロジェクトを進めることになります。

➂クラウドサービス側で提供される移行ツールを活用し、自社で移行する

クラウドストレージサービスの種類によっては、移行用のデータ転送ツールが無料または有料で提供されているサービスもあります。サービス側で用意されている移行ツールとしては、既存のシステムを止めずに段階的に移行できる仕組みや移行期間中の差分ファイルを更新できるものもあります。専門知識がなくても簡単に操作できるツールを提供しているサービスもありますが、コマンドの記述が必要であったりサポートのレベルに応じて費用が変動したりと、ベンダーによって異なるため、自社の人的リソースや導入までの期間やコストも鑑みたうえで、移行方式と計画を策定しましょう。

ファイルサーバーをクラウド化する際の注意点

ファイルサーバーのシステムフローチャートを書いている手
ファイルサーバーの移行方法や体制が決まれば、以下の4点に注意しながら慎重に移行をすすめることになります。

➀移行後の運用が変更になる場合のマニュアル整備・移行スケジュールアナウンス

ファイルサーバーの移行に伴い、業務影響がある部署やメンバーに対しては、事前に移行スケジュールやツールのマニュアルを配布し、アナウンスをすることで移行後も運用がスムーズに定着するでしょう。前提として、なるべくこれまでのファイルサーバーの運用を変えずにスムーズに新システムに移行できるサービスを選ぶことで、社内のトレーニングコストや情報システム部門の負担削減につながります。ユーザーにとっても慣れた操作感であることは、システムの定着が容易であるとも言えます。

➁クラウド化の前にデータバックアップを取る

ファイルサーバー移行中の障害等、万が一の事態に備えてデータのバックアップや復旧の段取りを確認しておきましょう。

➂クラウド環境で移行するデータの優先順位付けをする

データのボリュームが大きい場合は移行にも時間がかかります。そのため、優先度の高いデータから効率的・段階的にデータを移行しましょう。また、新環境に移行する前に、ファイルサーバーのデータ整理をしたり重複データは削除したりする等、この機会に一度棚卸しを行いフォルダやファイルの整理をした上で移行を行うことをお勧めします。

➃クラウドストレージへのデータ転送速度や進捗を監視

ファイルサーバーのデータをクラウドへ行こうする際、データボリュームやネットワーク帯域の制限により時間がかかったり、障害が発生してデータが破損したりする可能性がないわけではありません。データボリュームの大きいのファイルを移行する際は、転送速度を確認しつつデータを分割したり、ネットワーク負荷に応じて転送量を調整したりすることで、移行を円滑に進められるでしょう。

移行するデータの容量が大きい場合には、移行に使用するネットワーク帯域の制限や転送進捗の確認方法等、ベンダーと相談しておくと安心です。

ファイルサーバーのクラウド化ならFileforce®がおすすめ

ファイルサーバーをクラウド化するファイルフォースのサービスイメージ
クラウドサービスとしてのメリットを最大限享受し、デメリットを感じさせない性能を兼ね備えたクラウドストレージサービスとしてFileforce®は非常におすすめです。具体的な特徴として4点ご紹介します。

➀クラウドならではの圧倒的なコストパフォーマンスと充実した機能

従来のファイルサーバー同様の操作性は確保しつつ、ファイル保管やセキュアなファイル共有が実現でき、管理者によるアクセス権設定やフォルダ構成の作成もきめ細やかに設計が可能です。ユーザー数無制限プランを中心に、スモールスタートからエンタープライズ利用まで、幅広いニーズにお応えするサービスが揃っています。

➁クラウド化するからこそ高セキュアに。法人利用に必須のセキュリティ対策を実装

Fileforce®は、ファイルサーバーの運用を最も継承しやすいクラウドストレージであることをコンセプトに開発された日本のサービスです。
フォルダやファイルへの詳細なアクセス権限設定機能や詳細な操作・アクセスログの保管により、情報漏洩対策やセキュリティインシデント発生時の対応を強力に支援します。通信時含めてファイルは暗号化され、また、ユーザー端末にデータが残らない非同期型のサービス設計で端末自体の紛失や盗難時の情報漏洩リスクも最小化できるサービスです。
設計開発もすべて日本国内の体制で手掛ける純国産サービスで、カントリーリスクへの対応も万全です。

➂無償データ転送ツールでスムーズなクラウド化とデータ移行をサポート

Fileforce®は無償データ転送ツールを提供しています。既存のファイルサーバー・NASを運用しながらデータ移行が行えるほか、移行期間中の差分チェックと再転送機能もあるので 安心して作業を進めていただけます。またわかりやすいダッシュボード画面で移行の進捗を確認でき、業務に影響を与えずに大容量データも楽々移行が可能です。

➃ファイルサーバーのクラウド化と合わせて改正・電子帳簿保存法にも対応可能なオプションも

2022年1月に施行される「改正・電子帳簿保存法」への対応も、Fileforce®ならスムーズに運用を始められます。詳細なログ証跡や厳格なアクセス管理等の標準機能に加え、「改正・電子帳簿保存法対応オプション(※)」でより効率的な帳簿書類の管理が実現します。

【参考】改正・電子帳簿保存法に対応したFileforce®運用のイメージ
電子帳簿保存法に対応した運用の図
こちらのオプションについては電子帳簿保存法の対応の記事にてより詳しくご紹介しています。

まとめ

この記事では、ファイルサーバーのクラウド化におけるAWSやAzureなどのIaaS活用とSaaS活用の違い、SaaS活用のメリットと、実際に法人がサービス導入を検討する際に知っておくべき、デメリットを作らないための注意点、サービス選定時のベンチマーク項目についても紹介してきました。
データボリュームの肥大化への対応やコスト低減など、社内ファイルサーバーの運用管理に関する課題の解決につながるクラウド化ですが、サービスの利用用途や導入目的、自社の使用方法に合わせて、わかりやすくストレスを感じない操作性はもちろんのこと、導入前から運用開始後まで、システム管理者の負担を削減しながら、安心して効率的な業務を行える機能があるかを確認しながら高品質なサービスを選定していただければと思います。



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