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PPAPとは?代替方法のクラウドストレージを使用するメリットも解説

公開日:
2024/04/05
最終更新日:
2024/04/05
目次

PPAPとは?代替方法のクラウドストレージを使用するメリットも解説

デジタル化が急速に加速する現代において、効率的なファイルの共有はビジネスにおいて欠かせないプロセスです。長らく多くの企業で採用されてきたPPAP(パスワード付きZipファイルを用いたファイル共有方法)ですが、現在では、セキュリティリスクの高さが問題視され、使用を廃止する企業が増えてきました。

本記事では、PPAPの基礎知識から、そのセキュリティ上の問題点、そしてPPAPに代わる安全かつ効率的な代替手段としてのクラウドストレージの利用について、詳細に解説していきます。本記事を通じて、より安全で効率的なファイル共有方法への移行を検討する際の参考にしてください。

PPAPの基礎知識

PPAP(パスワード付きZipファイルを活用したファイル共有方法)は、ビジネスシーンで長年にわたり利用されてきました。しかし、この方法がセキュリティ上のリスクを多く含んでいることが明らかになり、政府機関をはじめとする多くの企業が利用の廃止を宣言することとなりました。まずは、PPAPについての基礎知識を、詳しく解説していきます。

PPAPはZipファイルによるファイル共有方法

PPAPは、パスワードで保護されたZipファイルをメールで送信し、その解凍用のパスワードを別途送ることでファイルを共有する方法です。

  1. Password付きzipファイルを送る
  2. Passwordを送る
  3. Aん号化(暗号化)
  4. Protocol(プロトコル)

当て字のように思われるかもわかりませんが、実際にこの呼び方を命名したITコンサルタントの大泰司章(おおたいし あきら)さんは、芸人のピコ太郎さんのネタであるPPAPからヒントを得たとおっしゃっています。

PPAPは、ファイルを安全に送るための一つの手段として長らく用いられてきました。しかし、この方法はセキュリティの観点から見ると、現代の技術水準では十分な保護機能を有していないことが判明したのです。特に、パスワード解析ツールの発展により、比較的容易にパスワードが解読されてしまう可能性があることが大きな問題となっています。

政府がPPAPによるファイル共有の廃止を宣言

2020年11月、日本政府はセキュリティリスクの高さを理由に、内閣府および内閣官房でPPAPの利用廃止を宣言しました。この動きは、日立製作所やNTTデータなどの大手IT企業にも波及し、業界全体でPPAPからの脱却が進められることとなりました。

政府や企業がPPAPの利用を見直す背景には、セキュリティリスクの高さだけでなく、業務効率化や情報管理の観点からもより優れた代替手段が求められているという現実もあります。

PPAPによるセキュリティの問題点・リスク

PPAPは、その便利さから多くのビジネスシーンで採用されてきました。しかし、この方法には重大なセキュリティリスクが潜んでおり、企業や組織の情報管理において大きな脅威となっています。以下では、PPAPが抱える主なセキュリティ問題点について、詳細に解説していきます。

パスワードの流出

PPAPの最大の弱点の一つは、パスワードの流出リスクです。ファイルを保護するために設定されたパスワードは、通常、メールで別送されます。しかし、このプロセス自体がセキュリティ上のリスクを高める要因となるのです。パスワードを含むメールが第三者によって傍受される可能性があり、一度パスワードが漏れてしまえば、保護されているはずのファイルも容易にアクセス可能となってしまいます。さらに、パスワードの複雑性が低い場合、総当たり攻撃によって解読されるリスクも無視できません。

メールの誤送信

メールの誤送信は、PPAPを利用する際のもう一つの大きなセキュリティリスクです。ファイルとパスワードを別々のメールで送信する過程で、送信先の誤入力が発生する可能性があります。このようなヒューマンエラーは誰にでも起こり得るもので、誤って送信された情報が機密性の高い内容であった場合、その影響は計り知れません。一度情報が漏れてしまえば、その後の被害を完全に食い止めることは極めて困難です。

添付ファイルからのマルウェア感染

PPAPを介して共有されるファイルは、添付ファイルとしてメールに添付できます。この添付ファイルがマルウェアに感染している場合、受信者の端末にウイルスが侵入するリスクがあります。特に、パスワードで保護されたZipファイルは、一部のウイルス対策ソフトウェアではスキャンが困難で、感染が見逃されることがあります。

近年、Emotetというウイルスが広がってしまったという例もあります。このように、PPAPを利用することで、意図せずにマルウェアを拡散させるリスクを高めてしまう可能性があるのです。

以上のように、PPAPには複数のセキュリティリスクが存在します。これらのリスクは、企業や組織にとって重大な情報漏洩やデータ損失の原因となり得るため、より安全なファイル共有方法への移行が求められているのです。

PPAPによるリスクはクラウドストレージで対応可能!

PPAPが抱えるセキュリティリスクは、現代のビジネス環境において大きな問題となっています。しかし、これらのリスクはクラウドストレージを利用することで軽減することが可能です。クラウドストレージは、ファイルの保管、共有、管理をインターネット上で行うことができるサービスであり、PPAPの問題点を解決するための理想的な代替手段になると言われています。

クラウドストレージはインターネット上でファイルを管理

クラウドストレージを利用することで、ファイルはインターネット上のサーバーに保管されます。これにより、どこからでもアクセス可能となり、物理的なストレージデバイスを持ち運ぶ必要がなくなります。また、ファイルのバックアップや復元も容易になり、データの損失リスクを大幅に減少させることができます。さらに、クラウドストレージサービスは多くの場合、高度なセキュリティ対策が施されており、ファイルの暗号化やアクセス制御機能を提供しています。これにより、PPAPが抱えるパスワード流出やメール誤送信、マルウェア感染といったリスクからファイルを守ることが可能となるのです。

PPAPの代替案ならfileforceがおすすめ

PPAPに代わるファイル共有手段として、特におすすめしたいのが「fileforce」などのクラウドストレージサービスです。fileforceは、企業向けに特化したクラウドストレージサービスであり、純国産である安心感に加え、ファイルのセキュリティ管理機能が充実していることで注目を集めています。利用者はファイルのアクセス権を細かく管理でき、不正アクセスや情報漏洩のリスクを極めて低く抑えることができます。

Fileforceの魅力は、直感的な操作性にあり、チーム間でのファイル共有やコラボレーションを容易にします。また、共有リンクを通じたファイルの一時的な共有だけでなく、社内外のメンバーとクラウド上でフォルダを安全に共有することができます。

複雑なメールのやり取りなしに、常に最新のファイルにアクセスできる点は大きな利点です。

Fileforceの高度な暗号化技術により、企業はPPAPを超えた、生産性が格段に向上した新しい働き方を実現できるでしょう。このような特徴から、業務効率化を目指す企業にとって、Fileforceは理想的な選択と言えます。

PPAPをクラウドストレージに変えるメリット

PPAPからクラウドストレージへの移行は、セキュリティーの強化だけでなく、多くのメリットをもたらします。セキュリティの強化に加えて、操作性の向上、業務効率の大幅な改善がその主な利点です。以下では、クラウドストレージを採用することで得られる主要なメリットについて、詳しく解説していきます。

ファイルアクセスに制限を設定できて安全

クラウドストレージを利用するメリットの一つは、ファイルアクセスに対する細かな制限設定が可能であることです。PPAPでは、パスワードを入手すれば、誰でもファイルにアクセスできるというリスクがありました。しかし、クラウドストレージでは、ユーザーごとに閲覧、編集、ダウンロードの権限を設定できるため、不要な情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。また、特定のIPアドレスからのアクセスのみを許可するなど、さらに高度なセキュリティ設定も可能です。これにより、企業は機密情報をより安全に管理することができるようになります。

暗号化機能によってファイル保存が可能

クラウドストレージサービスでは、ファイルをサーバーにアップロードする際に自動的に暗号化されます。この暗号化機能により、データが第三者によって傍受されたとしても、内容を解読されるリスクは大幅に軽減されます。さらに、多くのクラウドストレージプロバイダーは、データセンターの物理的なセキュリティも非常に高いレベルで保持しています。このように、クラウドストレージを利用することで、ファイルをより安全に保存できる環境を確保できます。  

ファイルのメール送信不要で安心

PPAPのようにファイルをメールで送信する必要がなくなるため、メールの誤送信による情報漏洩のリスクがなくなります。クラウドストレージでは、ファイルの共有にURLを使用します。このURLを必要な人だけに共有することで、ファイルへのアクセスを厳密に管理できます。また、ファイルをダウンロードせずにオンラインで直接閲覧できるため、受信者のデバイス上にファイルが残ることもありません。これにより、情報のセキュリティをさらに強化することが可能です。

クラウドストレージを導入したPPAP対策の流れ

PPAPのセキュリティリスクを回避し、より安全かつ効率的なファイル共有環境を構築するためには、クラウドストレージの導入が有効であると解説してきました。以下では、クラウドストレージを導入したPPAP対策の具体的な流れについて詳しく解説していきます。

共有するデータをクラウドストレージに保管

まず最初に行うべきことは、共有したいデータをクラウドストレージにアップロードして保管することです。クラウドストレージにデータを保管することで、物理的なメディアを介さずにファイルを安全に共有することができます。また、クラウドストレージは通常、データの暗号化やバックアップ機能を提供しており、データの損失や漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。

特に、社外の人とファイルを共有する際は、誤って設定を間違えた場合に他の重要なデータが見られてしまうリスクを避けるため、共有用の専用フォルダを作成するようにしましょう。

また、既存の全データを一度にクラウドに移行するのは現実的ではありません。情報の種類や重要度に応じて、従来の管理方法(例えば、社内ファイルサーバーなど)とクラウドストレージを効果的に使い分けるほうが良いでしょう。

アクセス・操作権限を設定

データをクラウドストレージに保管した後は、アクセス権限と操作権限を適切に設定します。一般的にクラウドストレージは、ファイルやフォルダごとに誰がアクセスできるか、どのような操作が可能か(例えば、閲覧のみ、編集可能、ダウンロード禁止など)を細かく設定できる機能を備えています。これにより、不必要なアクセスを防ぎ、情報のセキュリティを確保することができます。また、アクセスログを確認することで、誰がいつどのファイルにアクセスしたかを監視することも可能です。

保管場所のURLを相手に共有

最後に、ファイルが保管されている場所のURLを共有することで、ファイル共有が完了します。クラウドストレージでは、ファイルを直接送信するのではなく、ファイルが保管されている場所へのリンクを共有することで、受信者がファイルにアクセスできるようになります。この方法ならば、ファイルの誤送信リスクを避けることができ、受信者は必要なファイルにいつでも安全にアクセスできます。また、必要に応じてリンクの有効期限を設定することも可能で、一時的な共有にも柔軟に対応できます。

PPAP対策の注意点

PPAPからクラウドストレージへ移行することによるメリットや移行の流れについて解説してきましたが、注意すべき点も存在します。以下では、クラウドストレージを導入する際に気をつけるべき注意点について、詳しく解説していきます。

安全性が担保されているかを確認

クラウドストレージを選択する際には、そのサービスが提供するセキュリティ機能が自社の要件を満たしているかを慎重に確認することが重要です。データの暗号化、アクセス制御、監査ログの提供など、必要なセキュリティ機能が備わっているかをチェックしましょう。また、サービスプロバイダーが定期的にセキュリティ対策を更新し、最新の脅威から保護してくれるかも重要な判断基準です。安全性が十分に担保されているクラウドストレージサービスを選択することで、企業は情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。

社内ルールの策定

クラウドストレージの導入にあたっては、社内での使用ルールを明確に策定し、従業員に周知徹底することが不可欠です。

  • どのようなデータをクラウドストレージに保存して良いのか
  • 誰がアクセス権を持つのか
  • どのような場合に外部と共有しても良いのか

など、具体的なガイドラインを設けることが重要です。これにより、クラウドストレージの利用に関する社内の一貫性を保ち、セキュリティリスクをさらに低減することができます。

業務効率化に繋がるのか検討

クラウドストレージの導入は、セキュリティの強化だけでなく、業務効率化を目的としている場合も多いです。そのため、導入するクラウドストレージが実際に業務プロセスを改善し、効率化に貢献するかを事前に検討することが重要です。ファイル共有の容易さ、アクセスの速度、コラボレーション機能の有無など、業務に必要な機能を提供しているかを確認しましょう。また、従業員のトレーニングやサポート体制も、スムーズな導入と効率的な利用には欠かせない要素です。

クラウドストレージへの移行は、適切な準備と管理が行われれば、企業にとって大きな価値をもたらします。安全性の確認、社内ルールの策定、業務効率化への貢献度の検討を丁寧に行うことで、クラウドストレージの導入はPPAP対策としてだけでなく、企業全体の生産性向上にも繋がります。

まとめ

本記事では、PPAPの基礎知識から、そのセキュリティ上の問題点、そしてPPAPに代わる安全かつ効率的なファイル共有手段としてのクラウドストレージの利用について詳しく解説してきました。また、クラウドストレージ導入の際の注意点や、その導入によって得られるメリットについても触れてきました。

本記事を通じて、PPAPのリスクを理解し、クラウドストレージを活用することの重要性を再認識していただければ幸いです。安全かつ効率的なファイル共有環境の構築は、情報漏洩のリスクを減らし、企業の競争力を高めるために、今後も引き続き注目されるテーマであることは間違いありません。

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