データ共有の具体的な方法と種類。選び方のポイントも解説

公開日:
2021.05.27
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最終更新日:
2021.05.27

データ共有をしながら業務を進める機会が増えています。まずは代表的な4種類の方法を知り、自社に向いているのはどれか検討することが大切です。それぞれの特徴やメリット・デメリットを参考に、自社に最適なデータ共有を実現しましょう。

データ共有方法と種類

スムーズに業務を進めるためにスピーデイーなデータ共有が欠かせません。データ共有が大容量化している背景と、代表的な4種類の共有方法について解説します。

大容量化が進むデータ共有

業務上のデータ共有は以前からUSBメモリやCDの受け渡し、添付メールの形式などで行われてきました。しかし近年はファイルが大容量化しており、これまでの方法ではスムーズな共有ができない事態も出てきています。

例えばメールで資料を送るとき、容量オーバーで一度に送信できず複数回に分けて送信した経験がある担当者もいるでしょう。これでは送受信に手間がかかり業務効率が落ちてしまいます。

そこで活用されるようになったのが、データ共有のためのさまざまなツールです。

データ共有方法は大きく4種類

大容量ファイルにも対応しやすいデータ共有方法には、主に『フォルダ共有』『NAS』『社内サーバー』『クラウドストレージ』の四つが挙げられます。自社に最適な方法を見つけるために、まずはそれぞれの特徴をチェックしましょう。

手軽に始められる『フォルダ共有』

既存のシステムを生かして手軽にファイル共有の仕組みを整えるなら、『フォルダ共有』が便利です。共有フォルダにファイルを格納することで、社内LANに接続したパソコンからアクセスできるようになります。

ただし共有できる範囲は社内に限定されます。社外との共有やテレワークの社員との共有はできません。フォルダ共有は比較的小さな規模で使いたいというケースに向いています。

サーバーの負担が重くなりがちな方法のため、メンテナンスの頻度が高くなることやパソコンのスペックによってはが動作に影響を感じる点はデメリットになるでしょう。

社内LANに外付け接続『NAS』

『NAS(Network Attached Storage)』とは、社内LANに接続して利用するデータ共有専用機のことです。既存の社内LANを用いてファイルを共有するNASは、社内サーバーを設置するより低コストで導入できる魅力があります。

ファイルサーバーの導入や管理が費用面で難しいという企業に向いているでしょう。写真や動画など容量が大きくなりがちなデータも保存・共有できます。

社内での共有はもちろん、最近では社外からのアクセスに対応しているNASもあります。ただし外部からのアクセスにはVPN接続が必要になるため、社外からアクセスする社員が多いと費用がかさむでしょう。安全な保管場所やバックアップについても考慮する必要があります。

社外メンバーとの共有やリモート対応を考えるなら、高セキュリティの法人向けクラウドストレージを検討するのも一つの手です。

大規模で安全面も強化『社内ファイルサーバー』

セキュリティ面を強化しながら大規模にデータ共有をするなら『社内ファイルサーバー』が適しているでしょう。社内イントラといった社内ネットワークの中にサーバーを設置し、データを共有します。

社内で共有できる点で共有フォルダと似た仕組みですが、より大容量のファイルを安全に扱える点がポイントです。状況に合わせてセキュリティのレベルを変更できるため、機密情報の管理にも活用できます。

組織全体でファイルを整理しながら管理することが可能ですが、オンプレミスで構築する場合や維持管理には、より専門的なスキルが必要です。また、障害に備えたバックアップや社外からのアクセスの際にはやはりVPNの敷設が必要になるなど費用や管理コストがかかる点は理解しておいたほうがよいでしょう。設置・保管する場所も自社または社外に用意する必要があります。

オンラインで共有可能『クラウドストレージ』

インターネット上の保存領域にファイルを保管する『クラウドストレージ』は、社内からも社外からも使えるデータ・ファイルの共有方法です。ログイン情報・インターネット環境・端末がそろえば、どこからでもアクセスできます。

ファイルへのアクセス権制限や操作ログの確認などができるため、セキュリティ面でも優れたデータ共有方法です。ダウンロード用のURLを送付する方法の他、関係者を招待し、フォルダ共有をワークスペースとして設定する方法により、更に安全でスムーズなコラボレーションを促進することもできます。

テレワークや離れた拠点との共同作業や社外の取引先や顧客とのやりとりもスムーズに進められるでしょう。

それぞれの方法にメリット・デメリットがある

4種類の共有方法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自社の予算に合った方法を取り入れるために、データ共有方法にどのような利点やネックがあるのかを改めて以下にまとめます。

コストやセキュリティがネックになるケースも

主に社内でのデータ共有に便利なフォルダ共有・NAS・社内サーバーですが、それぞれコストやセキュリティ面でデメリットがあります。

低価格で手軽に利用できるフォルダ共有は、複雑な手続きも新しい機器も不要ですが、セキュリティ面のリスクが伴います。社内ネットワークに接続されたパソコンさえあれば誰でもデータへアクセスできるからです。

セキュリティ面を強化するには社内サーバーの導入が役立ちますが、その分少中規模の事業所で15~25万円が目安と導入にかかる費用がかさみます。

またコスト面でサーバーより手ごろなNASにもセキュリティ対策は欠かせません。ウイルス対策の他、物理的な盗難に備える必要もあります。

クラウドならBCP対策や大容量対応も可能

クラウドストレージでのデータ共有なら、社内サーバーの構築よりも初期費用がかからず、フォルダ共有やNASよりもセキュリティを強化できます。社内に置くサーバーやNASと異なり、BCP(事業継続計画)への対策として効果的という点もポイントです。

万が一本社が災害に遭った場合でも、データは離れた場所にあるデータセンターへ保管されているため被害を受けません。重要なデータの消失で事業継続ができなくなるリスクを回避できます。

メールでは送れない大容量データのやり取りがスムーズにできる点もメリットといえるでしょう。紹介したデータ共有方法4種類の中でも、機能やコストのバランスがよく、短期間で導入しやすい方法です。また、必要な容量から契約できるサービスが多いのもメリットと言えるでしょう。

クラウドストレージによるデータ共有の注意点

機能とコストを総合的に判断するとクラウドストレージの導入を検討するのがおすすめです。ただし、より安全で便利に利用するには注意点があります。気をつけるべきポイントを具体的に解説します。

権限と公開範囲の管理をしっかりと

まず注意すべきなのが権限や公開範囲です。これまでにもファイルの公開範囲を誤って設定したことで、重要情報が全世界からアクセス可能な状態で保管されていたケースが確認されています。

インターネット上に保存するからこそ、アップロード前の設定チェックが大切です。社内向けの権限設定にも注意しましょう。閲覧権限のない社員にファイルを見られることがないよう、権限の設定を確実に行います。

またログイン情報のずさんな管理にも注意が必要です。情報流出やデータの改変といったトラブルは、IDやパスワードの管理が甘いことで起こることもあります。社員にセキュリティ教育を実施し管理を徹底しましょう。

サービスによっては、上位フォルダのアクセス権限の継承しかできないウォーターフォール型やあらかじめ用意された数パターンの権限しか使えないものもありますので、選定時には、アクセス権限を詳細に設定でき、下位のフォルダにも運用に合わせた柔軟な権限付与ができるかを確認しておくことがお勧めです。アクセス権限の機能の違いは、些細なことに思えますが、いざ運用していくとわかりやすい情報の整理が難しくなったり、意図せぬ情報漏洩が発生なるなどの弊害が生まれる可能性があります。

サービスに含まれるデータ保全の仕組みについて確認しておく

便利なクラウドストレージですが、サービスを提供するベンダーが保管する先のデータセンターが国内か国外か、多重化されているか、障害時やデータ保全はどのように行っているかを事前に確認しましょう。

複数データセンターで冗長構成をとっていれば障害時のデータ消失のリスクも減り、社内でファイルサーバーやNASを管理する際に必要だったバックアップの心配やリストアの手間を解消することができます。

自社に合う条件で選ぶ

さまざまなサービスが提供されているクラウドストレージは、自社の使い方やセキュリティポリシーに合っているかなど条件の確認が重要です。例えば容量を考えるとき、業務上共有する必要があるデータのサイズを計測しておくと容量不足の心配がありません。SaaSのサービスであれば必要な時に必要なだけ契約できるものもあります。

セキュリティを重視するなら、前述のとおりアクセス権の設定やログの解析などが充実しているものを選ぶとよいでしょう。柔軟なアクセス権限付与のメリットとして、上位フォルダについては管理者以外が自由にフォルダを作成できないような権限を付与しておくことで、整理されたわかりやすいフォルダ構成を維持しながら、情報活用しやすい環境を整備することができます。

サポート体制についても、日本語での対応の可否も含め必要なサポートを受けられるかなどを確認する必要があります。

使用コストをファイルサーバーやNASと比較する際には、ハードウェアとクラウドサービスの比較だけではなく、維持管理にかかる人的リソースやバックアップ機器、障害時の事業への影響までトータルで考えるとよいでしょう。

まとめ

大容量データを扱う機会が増えたことで、データ共有はスムーズな業務の遂行に欠かせない仕組みとして注目されています。代表的な方法は、フォルダ共有・NAS・社内サーバー・クラウドストレージの4種類です。

それぞれの共有方法にメリット・デメリットがありますが、バランスがよく導入しやすいのはクラウドストレージがお勧めです。社内はもちろん社外との共有もでき、近年広まってきているテレワークにも対応しやすいでしょう。

自社での使い方や要件定義に合うサービスを選ぶことで、速やかなデータ共有による業務効率化につながります。