テレワークのコミュニケーション不足はどう解消?信頼感を深める方法

公開日:
2021.04.08
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最終更新日:
2021.04.08

働き方改革や新型コロナウイルスの影響でテレワークの導入が進んでいます。一方で顔が見えない環境でコミュニケーション不足となり、トラブルを抱える企業が少なくありません。コミュニケーション不足を解消しチームの信頼感を深める方法を解説します。

テレワークでチームワークが乱れる原因

テレワークはオフィス環境で働く場合とは違い、上司や同僚と直接面と向かって話をすることが困難です。そのため、「きちんと話が伝わっているか不安だ」と感じる人や「こちらの意図を正しく理解してもらえない」と思う人が多いようです。
場合によっては意思疎通の失敗から上司に叱責されたり、同僚との人間関係が悪化してしまったりする例もあります。テレワークにおいて、チームワークが乱れてしまう原因としては、次のパターンが考えられます。

言いたいことの真意が伝わりにくい

直接言葉を交わすのではなく、チャットツールを通して文章のやり取りをすることで仕事を進めるのがテレワークの基本です。
テキストのみで意思疎通を図ることになるため、お互いの言葉の定義がズレていたり、メッセージを送る側と受け取る側の前提認識が違っていたりすると、意思が正しく伝達できないケースが出てきてしまいます。
また、人間のコミュニケーションには言語だけでなく、表情や身振り・手振りなどの非言語部分も必要となるので、文章だけでは思わぬ誤解を生んでしまうことも珍しくありません。
ちょっとした言葉遣いに注意したり、仕事とは別にコミュニケーションの場を設けるなどして、社員同士の意思の伝達がスムーズになるような工夫が必要です。

気軽な相談、雑談をする場がない

勤務中の雑談は控えるべきと考えている人も多いですが、周囲と良質なコミュニケーションを取るには適度な雑談は欠かせません。休憩中に同僚と雑談を交わすことで適度な息抜きになり、仕事の生産性が上がることは珍しくないでしょう。
しかし、テレワークの場合、皆がリモート環境にあるために雑談ができず、孤独な時間を長く過ごすことになります。結果、精神的な負担が掛かるだけでなく、チームメンバーと疎遠になったような感覚を覚える人も出てくるでしょう。
それまで良いチームワークを発揮していた組織でも、テレワークによって連携が損なわれる可能性があると言っても過言ではありません。

他の社員が何をしているのか分からない

上司や同僚など、他の社員の状況が分からないことも、チームワークに悪影響を及ぼします。リアルタイムで必要な情報が入ってこなかったり、全体の業務の進捗状況が分からなかったりすると、「チームから取り残されている気がする」と感じる人が出てきます。
あるいは皆が平等に忙しい時期でも「自分だけがこれほど苦労しているのではないか?」と疑心暗鬼になってしまう人もいるかもしれません。
こういった不満や不公平感もチームワークの崩壊につながってしまいます。チャットツールや業務管理ソフトなどを活用して、誰が何をやっているのかを各々のメンバーがリアルタイムに確認できる環境をつくりましょう。

社員同士の会話減少による問題とは

このように、テレワークによってチームの協調性が乱れてしまう原因はさまざまですが、どれもコミュニケーション不足に端を発しています。実際、テレワークによって社員同士の会話が減少し、生産性が下がってしまった企業は少なくありません。
さらに社員の会話が減少すると、以下の弊害も出てくるので注意が必要です。

「エンゲージメント」の低下

テレワークが定着し、社員同士の会話が少なくなると、会社に対する愛着がなくなってしまう人が出る可能性があります。
チームで一つのプロジェクトを達成するのはメンバーの帰属意識を高め、ひいては会社への忠誠心を育みます。しかし、テレワークで周囲との会話が減少すると、社員は仕事の達成感を分かち合いづらいため、会社に対するエンゲージメントが低下してしまうでしょう。
(※エンゲージメント:社員が所属している会社に対して自律的に貢献しようとする意欲のことで、愛社精神と表現されることもある)

疑心暗鬼になり人間関係がギスギスする

すでに説明したように、テレワークは周りの勤務状況が分かりづらいため、「自分だけが必死に働いているのではないか」「同僚はさぼっているのではないか」といった疑心暗鬼になる社員も出てきます。
雑談などを通じてお互いの状況を把握できれば良いですが、チームの会話が少なくなってしまうと徐々に不安が大きくなり、仕事の生産性が下がるだけでなく、人間関係がギスギスしてしまうでしょう。精神衛生上もよくありません。

異変にすぐ気が付けない

チームメンバーとの会話が少なくなると、業務上のトラブルが起こった場合に対応が遅れてしまったり、社員の心身に問題が生じた場合、異変に気付けなかったりすることもあるので注意が必要です。
特に、それまでオフィスで働いていた人にとって、テレワークは仕事環境や生活リズムの変化が激しく、知らず知らずのうちに心身に過度な負荷が掛かってしまっている可能性があります。
運動不足にもなりがちなので、周囲と積極的にコミュニケーションを取りながら、お互いの状況を気遣える環境にすることが大事です。

どの社員も積極的に発言できる環境が必須

では、テレワークで社員同士の会話を増やし、コミュニケーションを活性化するための方法は何でしょうか?どんな企業でも手軽に導入できる施策として、次のような方法があります。

  • 感謝の言葉を気軽に言える場を作る
  • チャットでの意思疎通の違いを埋めておく
  • Web会議はチャンス。全員に話を振る

それぞれ解説していきます。

感謝の言葉を気軽に言える場をつくる

社内SNSなどを活用して、日頃から感謝の言葉を伝え合う場をつくることが重要です。週に一度はオンラインミーティングの時間を設けるなど雑談できる環境を整え、社員同士が気軽に感謝し合うように促しましょう。相手とメッセージをやり取りしたり、Web会議ツールで話したりする際には、できるだけポジティブな言葉を入れるように会社として決めておくのも有効です。

また、テレワークにピアボーナスの制度を導入しても良いかもしれません。気軽に感謝の気持ちを伝えられる環境を整えることで、社員の仕事のストレス度が軽減でき、生産性を向上させられます。実際に、株式会社メルカリではピアボーナス制度を導入し、社員からは「目に見えた感謝ができるので、他拠点や他部署との調整のハードルが下がる気がする」、「お互いに仕事をみてくれている感を感じやすくなった」など喜びの声があがっているようです。
(※ピアボーナス:景品と交換できるポイントを送り合うなど、社員同士で特別な報酬をやり取りする制度)

参考:

チャットでの意思疎通の違いを埋めておく

チャットでの意思疎通のルールを定めておくことも重要です。テキストベースのやり取りは、面と向かって話をするよりも機械的で冷たい印象を与えがちです。端的なやり取りばかりが続いてしまうと、チャットルームが殺伐とした雰囲気になってしまう可能性があります。

日常的な会話との違いを事前に説明しておくことが大事です。リーダーはチーム内のチャットで適度な雑談を許可したり、積極的に絵文字などを利用させたりするのも良いでしょう。

ただし、言葉の使い方は硬すぎるのも、くだけすぎるのもよくありません。チャットでの言葉の使い方や文章表現については、「ありがとうございます」や「助かりました」といった感謝の言葉を添えるなど事前にルール化しておくことをおすすめします。

Web会議はチャンス。全員に話を振る

普段、文章のやり取りが中心のテレワークにおいて、Web会議はカメラ越しではあるものの、面と向かってメンバーと話ができるチャンスです。なるべく参加者全員に話をしてもらえるように、進行役が率先して話を振るようにしましょう。
また、We会議は回線の状況によって映像や音声にラグが生じるため、参加者は発言のタイミングがつかみにくいケースが珍しくありません。一度に複数の参加者が話してしまうと内容が分かりにくくなるので、順番に話をしていくといった工夫も必要です。

Web会議を通じて積極的にコミュニケーションを取ることで、チャット内でのやり取りも活性化するでしょう。

リーダーに求められること

次に、テレワークでのコミュニケーション不足を解消するために、リーダーがすべきことを説明します。基本的なマネジメントスキルは当然必要となりますが、社員がテレワークをスムーズにこなせるように、以下の点に留意しましょう。

傾聴力を磨く

日常的な会話が不足しがちなテレワークでは、リーダーが率先して部下とコミュニケーションを取りながら悩みや問題点を聞き出し、適切なアドバイスをする必要があります。そのためには「傾聴力」を磨くことが重要です。
単に話に耳を傾けるだけではなく、相手の発した言葉の奥にある気持ちや価値観を代弁してあげることにより、部下に新しい気付きや学びが生まれやすくなります。さらに心理的安全性も高まるので、これまで説明してきたようなテレワーク特有の不安解消にも役立ちます。
(※心理的安全性:他者からの反応を過度に気にすることなく、等身大の自分をさらけ出せる状態のことで、仕事の生産性の向上にも寄与する)

部下が業務に集中できるようにする

部下が業務に集中できる環境を率先してつくり出すのもリーダーの役割です。テレワークはどうしても人間関係が希薄になりがちで、何の対策もしなければ、チャット上のやり取りでさえ減ってしまいます。

定期的なコンタクトのタイミングで次回の確認タイミングとその際に期待する成果を定義し、そのタイミングまでは任せてみたり、結果の進捗に合わせてアドバイスをするなど、適度にコミュニケーションが取れる環境をつくることで、仕事を見ている人がいるという緊張感から結果的に部下の自己管理能力も上がり、集中して業務を遂行できようになります。なお、リーダーによってはテレワーク中の部下にしつこく業務の進捗状況を確認したり、頻繁な連絡を要求したりするケースがありますが、部下は信頼されていないと感じてモチベーションが下がってしまう可能性があるので注意しましょう。過度な干渉は禁物です。

信頼関係を深めるためには

最後に、テレワーク中に社員同士の信頼関係を深めるための施策を2つ紹介しておきます。

それぞれの業務を可視化

上述のように、他のメンバーの状況が分からないと、自分だけが取り残されていると感じてしまう社員が出てくるため、チームメンバー全員の業務の「見える化」をすることが重要です。
一人ひとりのタスクの進捗やスケジュールの共有には、オンラインで確認できる業務管理アプリやタスク管理ツールを活用しましょう。チーム全員の状況が「見える化」できれば、全体の作業工数の削減につながり、結果としてチームの業務パフォーマンスが向上します。

些細なことも共有する

会話が減りがちなテレワークでは、些細なことでもチームで共有する姿勢が大事です。たとえ仕事の能力が高くても、ちょっとした悩みから仕事の生産性が落ちてしまう人は珍しくありません。

「こんなことを相談したら迷惑かもしれない」と社員が思うようなことでも、気軽に相談できる雰囲気作りを心掛けましょう。社員にはお互いがリモート環境にいるテレワークでは、相手に「気付いてほしい」「察してほしい」という姿勢は通用しません。

悩みや相談事を含め、積極的に情報を開示していくこようにしましょう。ただし、リーダーはテレワーク時のホウレンソウのルールを決めた上で、その点もしっかりと社員に伝えて相互のコミュニケーションミスを減らす努力が必要です。

まとめ

テレワークで起こりがちなコミュニケーション不足の解消法を解説しました。周囲の状況が分からないテレワークでは、孤独感や疎外感から疑心暗鬼になってしまう社員が出てきます。

リーダーが率先して社員同士の会話を促し、コミュニケーションを取りやすい環境を整えるようにしましょう。テレワーク向けのコミュニケーションツールなどを活用しながら、会話の機会を増やす工夫をすることが重要です。