大手国産ERPベンダーが更なるセキュリティ
向上を目指し情報共有ソリューションを
クラウド化!SSOとSCIMの活用でID管理も
スムーズに移行
株式会社ワークスアプリケーションズ(以下、WAP)は、海外3拠点を含めた8拠点で、ERPパッケージソフトウェアやSaaSサービスの開発、販売、サポートを行っている企業です。顧客のニーズを標準機能に組み込むことで、日本の商習慣に適した高品質なソリューションを提供し、業種や業態を問わず幅広い業務要件に対応しています。同社では、メールや他サービスによる情報共有のさらなるセキュリティ向上を目指し、「Fileforce」を導入しました。
このたび、WAPのISMS・セキュリティ担当である髙瀬氏と、広報担当である渡部氏に「Fileforce」導入の背景や、その効果についてお話を伺いました。
Fileforceの決め手はユーザ数無制限と多彩な機能
WAPでは、これまで顧客とのやり取りにメールや専用サポートツール等を利用していましたが、いくつかの課題があったといいます。
「弊社では、お客様情報の取り扱いには細心の注意を払っています。通常、お客様からの問い合わせには専用のサポートツールを利用していますが、このツールは契約後のお客様を対象としており、契約前のお客様とのやりとりには使用できません。ERPベンダーである以上、お客様の機密情報を扱いますので、契約前であっても細心の注意を払って情報をやり取りする必要があります。契約前のお客様との情報共有にはメールや他のソリューションを使用していましたが、セキュリティ上の不安や実務上の課題がありました。」
クラウドサービスの導入を検討する中で、他のサービスやツールと比較した結果、決め手となったのは「ユーザ数無制限」の価格設定と多彩な機能であったと髙瀬氏は話します。
「いくつかの他社サービスも検討しましたが、ユーザ数に応じた課金体系であるものが多く、採用が難しかったです。全社員が一斉に利用するわけではない中で、社員の異動や退職、新規入社に伴うライセンスの追加や削減を行うというのは、手間がかかる上に、コストの予測も難しくなります。一方で、Fileforceはユーザ数無制限の価格設定なので、導入コストが予測しやすく、計画外の支出が発生しにくいというメリットがありました。」
限られたリソースの中で、システムごとに個別のID管理が必要となる状況は避けたかったと話す髙瀬氏。SSO連携とSCIMによる自動権限管理が必須条件であったとのことです。
「新しいシステムを導入するたびに管理工数がリニアに増加するのは可能な限り避けたいため、SSO連携とSCIMによる管理が最も重要な条件のひとつでした。ユーザ管理をIDプロバイダで一元化、SCIMによって連携することで、退職等が発生しても自動でユーザが無効化されるなど、メンテナンスコストを最小化できています。」
さらに、Fileforceが純国産であることにも触れています。
「実は、導入を検討し始めた当初、外資系の大手サービスの利用も考えたのですが、非常に優れた機能は備えているものの自社のニーズに合致しないという声がありました。そこで、Fileforceを試してみたところ、非常に使いやすいというフィードバックが寄せられたのです。また、国産であることから、日本のビジネス文化に適した設定や機能が充実していると感じました。これは、弊社が国産ERPを提供しているからこそ、特に共感できる点だと思います。」
SSOとSCIM対応により、導入はスムーズに進行
Fileforceの導入に際しては、特に大きな障害はなかったといいます。その理由について、髙瀬氏は次のように話します。
「Fileforceの導入は、SSOとSCIMによる自動連携が可能だったおかげで、特に大きな問題もなくスムーズに進みましたね。主に転送ソリューションとして利用するにはWebでの使用が非常に便利で、特別なデータ移行も必要ありませんでした。SSOにログイン済みであれば Fileforce のURLをクリックするだけでシームレスにログインされ、利用可能になっています。あとは、Fileforce にファイルをアップロードして転送操作をするだけで、問題なく運用できています。」
Fileforceの社内への浸透について渡部氏は、もともと整備されていた社内ポータルサイトに詳細を掲載する形で対応していると話します。
「弊社では、社内ポータルサイトを通じてさまざまな情報を共有しています。このポータルサイトに、Fileforceの利用方法が詳細に記載されており、社員が簡単に理解できるようになっています。困ったときは社内ポータルを見れば解決できるという認識が社内に浸透しているため、問い合わせも少なく、社員の間でもFileforceがうまく利用されていますね。」
Fileforceの将来的な活用について、髙瀬氏は次のように話します。
「現時点では主にファイル転送の機能を使用していますが、Fileforceにはストレージ機能も備わっており、将来的にはより広範囲に活用できるポテンシャルがあります。例えば、外部ベンダーと1日に1,000個以上のファイルを共有する必要がある場合でも、Fileforceを活用すれば対応可能です。現在 Fileforce とは別の社内ストレージを運用していますが、社内ストレージを外部と直接共有することはセキュリティ上の観点から選択していません。Fileforceを利用すれば内部の機密データと外部の共有データを分離し、データガバナンスを維持しながら効率的な情報共有が実現できると考えています。」
セキュリティと利便性の実現へ。将来への期待大
従来のサービスでは実現できなかった点や将来的な展望について、髙瀬氏は次のように話します。
「従来使用していたソリューションでは、履歴管理やバージョン管理の機能が不十分であったため、大規模にファイル共有をするには課題がありました。しかし、Fileforceはこれらの機能を含め、ファイルサーバとして期待される機能が充実しているので、セキュリティと利便性の両立を図りながら、効率的な情報共有が実現できると考えています。将来、新たなユースケースが増えても、Fileforceの標準機能で対応できるという安心感がありますね。」
さらに、髙瀬氏は続けてこう話します。
「弊社はISMSの認証を受けていますので、外部監査を受ける際には、適切なログが記録されていることが非常に心強いです。また、お客様から情報のやり取りについて質問があった際にも、Fileforceの利用状況を示すことで、安心していただけると考えています。」
最後に、Fileforceのおすすめできる点を伺いました。
「ユーザ課金がないこと、SSO・SCIMに対応していること、ファイルストレージとしての機能が充実していること、この3つが揃っていることですね。それぞれの要素を備えたサービスは他社にもありますが、これら3つすべてが揃っているのは大きな強みだと思います。」
本事例のポイント
- 課題
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- メールでの情報共有にセキュリティの不安があった
- 契約前の顧客を対象とする適切なサポートツールがなかった
- 選定理由
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- ユーザ数無制限の価格設定
- SSOとSCIMでのユーザーアカウント自動連携による管理
- 日本のビジネス文化に適した設定や機能が充実
- 効果
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- 情報共有のセキュリティが向上した
- 効率的なファイル転送が実現した
- 充実した機能で、将来的に広範囲な活用が期待できる
※本記事の内容は取材時(2024年7月)の情報です。