拠点管理の複数NASをクラウドで統合!
商品開発をはじめとする業務生産性もUP
株式会社シュクレイ(以下シュクレイ)は、「喜びを創り喜びを提供する」という経営理念のもと、和・洋菓子の企画・販売と、多くの人気オリジナルブランド・ショップブランドを創造しています。
これまでは、各拠点内にNASサーバを設置し、管理も拠点でそれぞれ行ってきましたが、バックアップや事業継続性、セキュリティ面などさまざまな不安を抱えていたことから、クラウド化を検討。NASサーバの撤廃とクラウドストレージFileforceへの完全移行に踏み切りました。
このたび、本来業務と兼任しながらクラウド移行プロジェクトを主導した、経営管理部・経理財務課の川井真澄氏に話を伺いました。
複数拠点でNASサーバを個別運用
バックアップやセキュリティに課題
本社、物流拠点、さらに工場2つ、の計4拠点を主軸に「お菓子の総合プロデューサー」として躍進を続けるシュクレイ。NASサーバの管理・運用に関しては、様々な業務を多拠点で展開する企業ゆえの悩みを抱えていたと川井氏は話します。
「Fileforce導入前は、本社と2つの工場にそれぞれNASサーバを設置して、アカウントや運用の管理も拠点毎に行っていました。しかし、ビルの定期点検のたびにファイルにアクセスできなくなる拠点もあり、業務全体が滞ってしまう状況でした。」
また、経営層含めた強い課題感として、NASサーバの定期的バックアップ運用や物理的に社内に設置していることへのセキュリティ面の懸念があったといいます。
「NASサーバには、製菓業である当社の命といえるレシピや製造にかかわる資料なども入っているわけですから、そういった課題を解消するために、全社的なクラウドサービスへの移行による一括管理を検討しはじめました」
サービス選定でポイントとなった、
Microsoft Officeファイルの利用可否と課金体系
従来からシュクレイでは、社内業務システムはクラウドサービスの利用がスタンダードだった中で、NASサーバだけが物理的なシステムとして残っていたといいます。これまでの業務が変わらずでき、なお且つ課題解決につながるサービスとして、複数あるクラウドストレージサービスの中から最終的にFileforceを含む3サービスに絞り込んだといいます。
Fileforce導入の決め手について川井氏はこう話します。
「業務ではMicrosoft Officeの利用が必要不可欠のなかで、現場からも「Excel関数が使えないと困る」という声がありました。Fileforceと並行してトライアル利用していた他社製品では、Excel関数が使えない――私たちにとって、Microsoft Officeをそのまま使えて、エクスプローラから操作可能というFileforceは、まさに理想的な選択でした」
加えて、「アカウント数による課金ではないこと」もポイントだったといいます。
「ユーザ数無制限の料金プランなので、従業員の入退社のたびにアカウントを追加・廃止したりして課金を気にする必要がないため、他のサービスと比較しても斬新でした。ユーザによっては利用頻度にも差がありますし、コストの変動もある程度読める点も魅力的です。当然、ISO取得などの情報セキュリティ面の評価や、「長く、安心してお付き合いできるかどうか」といったところで、資本金などもチェックしました」
Microsoft Officeの利用要件以外にも、ユーザからは世代数管理をしたい、アクセス権限の管理を簡単に、といった要望もある中でそれらも網羅するサービスとして、トライアル利用をしたのちに導入を決定したといいます。
「導入ハードルが低いサービス」と評価。
商品開発の現場でも生産性UPの効果あり
シュクレイではMicrosoft Officeで作成したファイルだけでなく、過去からの製造データや画像もNASサーバにそれぞれ管理していましたが、それらすべてをFileforceに移行しました。
「NASサーバを廃止する時期を明確にして、社内に通知しまして、各部署には移行時の担当者をおいて、各自でFileforceにデータを移行してもらいました。たくさんファイルを持っている部署では、移行に少し時間がかかったとの声も聞かれましたが、それもほんの一部です。基本的には移行について問題はなかったといえると思います」
社内への浸透・教育についても、少ない時間で収められたとのこと。
「本当にエクスプローラを使っているのと同じ感覚ですので、ほぼほぼ操作説明は不要なんです。一部、『ファイル間の連携を行いたい』といった部署でのデータ移行や教育についてはファイルフォースに問い合わせして支援してもらえました。各部署からは『親身にサポートしてもらった』といった報告が上がってきて……感謝してもしきれません」
現在の運用体制について問うと、本来業務の傍らで全社のユーザ管理をする運用担当を指名し、まかなえているといいます。
「導入後は、私とは別の者が管理者となって運用をしています。グループウェアで申請があった場合にユーザ追加・削除を行うぐらいですので、本来業務の傍ら、現時点では200名程のアカウントを管理しています。ユーザ管理以外については、サブ管理者(※)が「特定フォルダに誰を招待するか」というところを決めて業務をすすめています」
※Fileforceの管理権限の一部をユーザに移譲できる管理機能
所属は財務課である川井氏も、日常的にMicrosoft Officeファイルを使用します。ユーザ目線でのFileforceの導入効果についても伺いました。
「本当に使いやすいです。以前は、社外で作業する際にはVPNをつないでからNASサーバにアクセスするという手間がありましたが、今はインターネットにさえつながっていればすぐにファイルを使えるようになりました。特に、外出先で作業することの多い営業職や、グループ内の複数社兼務で事業所を行き来する者も喜んでいます。
商品開発の業務では、企画、物流、工場、営業といった複数部署で一つのファイルに書き込みをして業務を進めるのですが、その際にはFileforceに保存しているファイルをそのままオンラインで共同編集していると聞いています」
外部とのファイル共有についても川井氏はこう話します。
「外部とのファイル共有はZipファイルでパスワードをつけてメール送付していましたが、Fileforceではファイル共有のURLリンクを発行してパスワード付きで送れるので簡単になりました。外部の倉庫会社とも、プロジェクトフォルダを使って便利に情報連携ができるようになっています」
シュクレイでは、NASサーバだけでなく社外からファイルにアクセスするために利用していたVPNサービスの利用も廃止し、コスト削減も実現しています。
BCPやセキュリティ強化、業務部門のニーズに沿うことはもちろんながら、事業推進や競争力強化の後押しをするクラウドストレージとして、今後もFileforceは進化をしていきます。
本事例のポイント
- 課題
-
- 複数拠点でNASサーバを管理していたが業務に支障があった
- 物理的なセキュリティ対策が十分ではなかった
- 事業継続の観点・バックアップの運用ができていなかった
- 選定理由
-
- Microsoft Officeが利用できる
- 料金体系がアカウント数によらない
- バックアップやセキュリティ面で安心でき実績がある
- 効果
-
- BCP、セキュリティ対策ができた
- 社内のファイルを一括・横断的に管理できるようになった
- 数部署や外部との情報共有や業務推進が効率化し生産性も向上した
※本記事の内容は取材時(2024年2月)の情報です。