
公立大学法人 奈良県立医科大学
医療系大学が選んだ国産クラウドストレージの安心感!プロフェッショナルな導入支援サービスとともに、業務効率化とセキュリティ強化を実現
奈良県立医科大学(以下、奈良医大)は、「最高の医学と最善の医療をもって地域の安心と社会の発展に貢献する」という建学の精神のもと、医療・看護分野の人材育成に取り組む公立大学です。
同大学では、これまでオンプレミスファイルサーバーと学外向けのシステムを併用し、ファイル管理を行ってきました。しかし、複数のシステム運用による負担増大が課題となり、システムを一元化すべく、Fileforceを導入しました。
今回は、法人企画部 情報推進課の西川氏、井戸氏、熊谷氏に、Fileforce導入の背景や選定理由、導入効果についてお話を伺いました。
複数のシステム運用による負担増大が課題に
奈良医大では、長年にわたり、学内専用のオンプレミスファイルサーバーと、学外向けのファイル共有システムを併用していました。しかし、この運用体制にはいくつかの課題があったと、井戸氏は振り返ります。
「Active Directory(AD)で運用していたファイルサーバーは、学内ネットワークからのみアクセス可能でした。そのため、学外とのデータのやりとりには、別のファイル共有システムを使用しており、ユーザーは2つのシステムを使い分ける必要がありました。さらに、管理者にとっても、複数のシステムを運用しなければならず、負担になっていました。」
また、定期的に発生するハードウェアの更新には多額の費用がかかるうえ、OSやミドルウェアのバージョンアップ、セキュリティパッチの適用などの運用業務も大きな負担になっていたといいます。仮想サーバーの更新時期が迫る中、熊谷氏は従来の管理体制を見直す必要性を感じていたといいます。
「既存の仮想サーバーの更新には、高額な費用がかかるため、このままオンプレを維持し続けるべきか再考するタイミングでした。クラウドストレージサービスであれば、ハードウェアの更新も不要ですし、長期的に見ても運用コストを抑えられると考えました。」
さらに、学内には医師や看護師、医療技術者、教員、研究者、事務職員など、さまざまな職種の職員が在籍しており、それぞれが異なる目的でファイルを利用していました。西川氏は、こうした状況を踏まえ、システムの一元化によるガバナンス強化の必要性も感じていたと語ります。
附属病院 ドクターヘリ用ヘリポート
「研究データや学会資料の管理、学外機関とのファイル共有など、利用シーンは多岐にわたります。その中で、2つのシステムで運用ルールが異なっていたことが、管理面での非効率を招いていました。今回のクラウド移行は、こうした利用環境を整理し、統一された管理体制を構築する良い機会になると考えました。」
導入の決め手は国産サービスの安心感
こうした課題を解決すべく、奈良医大では複数のクラウドストレージを比較検討したとのことです。その中で重視されたのは、既存のAD環境との連携、直感的な操作性、そして高いセキュリティ要件を満たす“国産”サービスであることでした。これらすべての要件をバランス良く満たしていたのが、Fileforceだったと熊谷氏は振り返ります。
「複数のサービスを比較しましたが、総合的に判断してFileforceが最も要件に合致していました。特に、開発からデータセンターの運用まで一貫して国内で行われている“国産”サービスであるという点は、大きな安心材料でした。 当法人で取り扱うデータには、機微な医療情報が含まれ、厚生労働省のガイドラインでも国内法の適用を受けることが遵守事項に挙げられていますし、Fileforceはセキュリティ面でも信頼できると感じました。」
また、長年ADで運用してきた環境からのスムーズな移行を実現するうえで、FileforceのAD連携機能は不可欠でした。ユーザー情報だけでなく、既存のセキュリティグループをそのまま同期できる点は、複雑な権限管理を行っていた同大学にとって大きなメリットであったと、熊谷氏は振り返ります。
「当法人では、所属部署や役職に応じてかなり細かくアクセス権限を設定しています。これらの膨大な権限設定を全て手作業で新しいシステムに移行するのは、現実的ではありません。Fileforceでは、ADSyncオプションを利用することで既存のユーザーとセキュリティグループをほぼそのまま引き継ぐことができ、移行作業の負担を大幅に軽減できました。これは本当に助かりましたね。」
ADSyncでの運用イメージ
約9TBものデータをスムーズに移行
約9TBに及ぶFileforceへのデータ移行作業は、導入支援・移行支援の「プロフェッショナルサービス」(オプション)と専用のデータ転送ツールを活用して実施されました。専門チームによる丁寧なサポートには非常に満足していると、熊谷氏は振り返ります。
「移行計画の策定から細部の設定に至るまで、さまざまな相談に応じてもらいました。休日も含めて迅速に対応いただけたおかげで、作業はスムーズに完了しました。」
Fileforceのプロフェッショナルサービス
導入後に実感した大きな変化としては、ファイル管理システムの一元化による管理負担の大幅な軽減であると熊谷氏は続けます。
「これまで2つのシステムを個別に管理し、それぞれでバックアップやアカウント管理、権限設定などを行っていました。運用ルールやセキュリティポリシーもシステムごとに異なっていたため、管理業務は非常に煩雑でした。しかし、Fileforceに統合されたことで一元的な管理が可能となり、業務効率が大きく向上したと感じています。ユーザー側もシステムを使い分ける必要がなくなり、直感的に操作できるため、ほとんど問い合わせはありません。」
操作性に関しても、従来と変わらないエクスプローラー感覚で利用できる点に加え、Fileforceに搭載された強力な検索機能「IntelliSearch™」が、業務効率を向上させていると井戸氏は評価します。
「以前は、別の検索ツールを利用していましたが、探すのに時間がかかることも少なくありませんでした。今では、Fileforceに標準装備されているIntelliSearch™によって、キーワードを入力すれば関連ファイルがすぐに見つかるようになり、現場の職員からも非常に好評です。また、ファイルの同期状況がアイコンで視覚的に分かるなど、使いやすさへの配慮を感じます。」
セキュリティ面においても、導入による効果は大きかったと西川氏は語ります。
「シングルサインオン連携によって、ユーザーは普段利用しているアカウントでスムーズにFileforceへログインできます。管理者としても、セキュリティポリシーを一元的に適用・運用できるようになった点は非常に大きな変化です。さらに、多要素認証やログ管理機能に加え、ランサムウェア対策機能までもが標準で備わっている点は、医療情報を扱う機関として非常に心強いです。」
県のDX方針にも合致したクラウド移行
Fileforceの導入は、奈良県が推進する「奈良デジタル戦略」にも合致するものでした。公立大学法人として、県の方針に沿ったクラウド活用を推進していくことは重要な責務であり、今回の導入は技術的な効果に加え、組織としての意義も大きかったと西川氏は強調します。
「奈良県では、県関連機関に対してクラウドサービスの積極的な活用を推奨する方針が示されています。Fileforceの導入は、長年の課題であったファイルサーバーの運用効率化とセキュリティ強化を実現すると同時に、県のDX推進方針にも応えることができたと考えています。」
最後に、Fileforceのおすすめできるポイントについて伺いました。
「企画段階から導入、運用開始に至るまで、一貫して丁寧なサポートを受けることができ、安心して進めることができました。特に、当法人のように医療情報を扱い、長年AD環境を運用してきた公的機関にとっては、“国産”であることの安心感、既存システムとの高い親和性、そして現場のユーザーが直感的に使える操作性は、非常に大きな導入メリットだと感じています。」
本事例のポイント
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課題
- 学内外で異なるファイル共有システムを運用しており、管理者の負担が増大していた
- オンプレミスサーバーの学外アクセス制限により、スムーズな情報共有が困難だった
- ハードウェア更新コストの高騰と、システム維持管理に関わる人的・時間的負担が増大していた
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選定理由
- 開発からデータセンターの運用まで一貫して国内で行われている「国産」サービスの安心感
- 既存のAD環境とセキュリティグループとユーザー情報を含めてシームレスに連携でき、複雑な権限管理もスムーズに移行可能だった
- 直感的な操作感で、1,000名以上のユーザーに対する特別な教育がほぼ不要だった
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効果
- ファイル管理システムの一元化により、運用管理負担が大幅に軽減され、ユーザーの利便性も向上
- SSO連携、多要素認証、詳細なログ管理、ランサムウェア対策機能などにより、運用効率とセキュリティレベルを両立
- 強力な検索機能やファイルの可視化により、ユーザーの業務効率と満足度が向上し、問い合わせも削減
※本記事の内容は取材時(2025年6月)の情報です。
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