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株式会キリウ

アクセス権限は“現場の責任者”が握る── “サブ管理者”で実現する新・IT管理体制

株式会社キリウ(以下、キリウ)は、ブレーキディスク・ドラムを主力とする自動車部品メーカーです。国内4拠点・海外10拠点を構え、開発から鋳造、機械加工までを一貫して手がける「一気生産体制」により、国内外の完成車メーカーに安定した品質と技術を提供しています。1906年の創業以来、「誠実・迅速・徹底」の社是を貫き、“止まる技術”でモビリティ社会の安全と信頼を支え続けてきました。

同社では、長年オンプレミス型のファイルサーバーを運用してきましたが、煩雑なアクセス権限の設定業務や、海外拠点との通信における利便性・セキュリティの課題が顕在化していました。こうした状況を打開すべく、複数のクラウドストレージを比較検討。ユーザー数無制限の料金体系、堅牢なセキュリティ、そして各部署に権限を委譲できる「サブ管理者」機能を備えたFileforceの導入を決定しました。

今回は、全社のIT統括を担う業務改革推進部の川澄氏に、導入に至るまでの背景や選定の決め手、そして導入によってもたらされた劇的な変化について、詳しくお話を伺いました。


頻発する権限設定依頼。運用負担をIT部門に集中させていたオンプレサーバー運用

Fileforce導入以前、キリウのファイル共有は、1台のオンプレミスファイルサーバーに依存していました。国内は社内ネットワーク経由、海外はVPN経由でアクセスする運用でしたが、この体制には多くの課題があったと川澄氏は振り返ります。

「ファイルサーバーはActive Directory(AD)で管理していたため、アクセス権限の設定はすべてIT部門が担っていました。各部署からの急な依頼に対し、システム開発作業を中断して処理せざるを得ない状況が続いていました。」

また、海外拠点からのVPN接続には、セキュリティ上の懸念に加え、利便性にも問題があったといいます。

「海外のネットワークからVPNを接続すると、その時点で現地ネットワークが遮断される仕様だったため、業務に支障が出るケースもありました。海外のユーザーからは『不便だ』という声が多く、根本的な見直しが必要だと感じていました。」

※設計・開発から製造まで一気生産システムでブレーキ部品及び空調部品を生産

決め手は「コスト」と「サブ管理者」。ユーザー数無制限の料金体制で“現場主導の権限管理”が実現

業務効率とセキュリティ強化を両立するため、キリウではクラウドストレージの導入を本格的に検討。大手を含む複数のサービスを比較する中で、導入の決め手となったのは、コストと『サブ管理者』機能であったと川澄氏は語ります。

「最も重視したのはコストです。当社は従業員数が多く、ユーザー単位で課金されるモデルは現実的ではありません。使用頻度の低いユーザーにもコストが発生する状況は避けたいと考えていました。その点、ユーザー数無制限で利用できるFileforceは、コストの見通しが立てやすく、非常に魅力的でした。」

そして、もう一つ必須条件と位置づけていたのが、現場への権限移譲を可能にする仕組みだったと川澄氏は続けます。

「オンプレ時代に最も負担が大きかったのは、アクセス権の設定業務です。それを、各部署が管理できるようになる仕組みは、導入における必須条件でした。 Fileforceの『サブ管理者』機能は、まさに求めていた機能であり、現場主導の管理体制を確実に実現できます。他社サービスにはこうした機能がない、あるいは機能が限定的だったので、Fileforceを選択する大きな決め手になりましたね。」

※一般ユーザーに対し「サブ管理者」として任命する画面イメージ

加えて、スムーズな移行を支える操作性や、既存の仕組みを活かせるAD連携、さらにセキュリティ対策も重要な選択基準だったといいます。
「既存のADと連携できる点や、エクスプローラー感覚で使える操作性も高く評価しました。また、オンプレ時代は外部接続を制限していたのですが、Fileforceの堅牢なセキュリティ機能であれば、安心して導入できると判断しました。」

IT部門の負担が劇的に解消。全社的な業務効率化と即時性を実現

Fileforceの導入にあたり、キリウでは約1.7TBのデータをクラウドへ移行。既存のフォルダ構成を維持したまま、大きなトラブルなく完了できた背景には、Fileforceによる手厚いサポートがあったと川澄氏は振り返ります。

「データ転送ツールを使い、今あるフォルダをそのまま移すことができたので、非常にスムーズでした。一時的に契約容量を超過してしまうことはありましたが、Fileforceの担当者に柔軟に対応していただけました。こうしたサポート体制もありがたかったですね。」

Fileforce導入後、最も効果を実感したのは、アクセス権の設定・管理業務を各部署に委譲できたことだといいます。

「フォルダの作成と審査はIT部門が担い、その後のアクセス権限の管理、設定は、各部署の所属長が任命した『サブ管理者』が担う体制を整えました。
本来、誰にどのような権限が必要かを判断するのは現場です。その判断から設定までを部署内で完結できるようになったことは、非常に大きな効果だと実感しています。現在は、約50名のサブ管理者が全社に配置され、各部署の責任者と連携しながら管理しています。」

こうした体制の構築によって、IT部門のリソースは大幅に削減され、全社的な業務効率も向上したと川澄氏は語ります。

「以前は、人事異動があるたびに、アクセス権限の見直しに1週間以上かかることもありました。 現在はその負担が解消され、本来の業務に集中できるようになっています。
一方で、ユーザー側の手間も大幅に削減されました。以前は、申請書を作成してメールで依頼し、設定完了を待つという流れでしたが、今は部署内の所属長の承認が取れれば、その場で対応が完了します。『使いたいときにすぐ使える』という即時性が確保されたことは、大きな改善効果だと感じています。 」

また、セキュリティ面やログ管理に関しても、大きな安心感と実用的な効果を実感しているとのことです。

「セキュリティ面では、ランサムウェア対策機能が標準で備わっている点が安心材料になっています。万が一の場合でも迅速にデータを復旧できる機能があることは、非常に心強いです。 また、ユーザーから『ファイルが消えた』といった問い合わせがあった際も、ログを確認することで速やかに対応をすることが出来て、常に助かっています。」 最後に、Fileforceを他社に薦めるとしたらどのような点か、川澄氏に伺いました。

「やはり『AD連携』と『サブ管理者』機能ですね。この二つがあることで、システム管理者の負担が劇的に軽減されました。他にも、セキュリティ・コスト・操作性、すべてが高い水準で、IT部門の工数削減と現場の利便性向上を両立させたいと考えている企業には、間違いなくおすすめできるサービスだと思います。」


本事例のポイント
  • 課題
    • アクセス権限の設定がIT部門に集中し、対応の遅延や工数逼迫が深刻化。
    • 人事異動のたびに申請・設定作業が発生し、本来の業務に支障が出ていた。
    • 海外からのVPNアクセスに不便さとセキュリティ上の懸念があった。
  • 選定理由
    • ユーザー数無制限の料金体系により、大規模展開でもコストを抑制。
    • 各部署に権限設定を委譲できる「サブ管理者」機能が要件に合致。
    • エクスプローラー同等の操作性と、既存ADとのシームレスな連携。
  • 効果
    • 権限設定業務を現場に移譲し、IT部門の負担を大幅に軽減。
    • 承認から設定までのスピードが向上し、即時性の高い運用を実現。
    • 堅牢なセキュリティ環境で、海外拠点との安全な連携が可能に。

※本記事の内容は取材時(2025年7月)の情報です。

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